上写真=ロメロ・フランクが今季初ゴール。こぼれ球を予測して相手より早く動いた(写真◎ALBIREX NIIGATA/J.LEAGUE)
■2021年3月20日 明治安田生命J2リーグ第4節(@デンカS/観衆:9,329人)
新潟 3-1 群馬
得点:(新)ロメロ・フランク、鈴木孝司2
(群)オウンゴール
「ああいうのを決めないと」
「あんまり喜べなかったです」
ちょっぴり苦笑いだ。ザスパクサツ群馬を迎えたJ1第4節で、アルビレックス新潟の先制点を決めたロメロ・フランクは、ゴールの瞬間に群馬のGK松原修平と接触して悶絶した。
今季は開幕から右サイドハーフとして全試合に先発出場して好調をキープしているフランクにとっては、これがうれしい今季初ゴール。痛みと喜びがミックスして記憶に残ることになったが、しっかりとゴール前に詰めて決めることができたのは、ゴールへの熱い意欲と冷静な予測が生み出したものだった。
13分、右サイドのスローインから高木善朗が見事なダブルタッチで右を抜けて、ファーへクロス。鈴木孝司がヘッドで狙い、相手DFに跳ね返されたものの、詰めていたフランクが左足で蹴り込んだ。
「ヨシ(高木善朗)がクロスを上げて孝司が折り返しましたけど、上げた瞬間に『あ、来るな』と思って、こぼれ球を狙って早く反応してうまく決められました。キーパーの足の裏が入ってあんまり喜べなかったです」
事前の準備が、相手よりも早い動き出しにつながった。感じた時点で勝負ありだったのだ。
「前の選手がみんな取っていたので、自分も今日取れてよかった」と、攻撃の一角を担うポジションを担うだけに、今季1点目に安堵の表情も。一方で、自己批判もしっかりしている。「幻のチーム3点目」のことだ。
「もうちょっと後半の戦い方は考えないといけないですね。押し込まれる場面もあったので。そこは、自分が3点目を取ったらもっと楽ができたので…」
76分、堀米悠斗の美しいロングスルーパスで左サイドから本間至恩が抜け出した。GKと1対1に持ち込んでゴール…のイメージが湧いたはずだが、まさかの右への横パスを選択した。ここに走り込んできたのがフランクだったが、ステップが合わずにシュートは右に外してしまった。思わず地面に突っ伏してしまう。
「至恩が打つと思っていて、こぼれたら詰めようと思ったら、『あれ? 来た』と思ってタイミングが合わなかったんです」
「あれは反省しなければいけないです。ああいうのを決めないと」
体の強さを生かしてピッチのあちこちでポイントになっていたが、強いということは相手のパワーをまともに受け止め続けたということ。このタイミングでは足が重くなっていたのも仕方なかった。
「チームとしてはボールを持つことは今日もできていたし、(相手が)前から来ていたけどうまくスペース使いながら攻めることができていました。自分としては体の強さ生かしてキープしたり裏に抜けてチャンスを作れていたのではないかと思います」
ゴールも決めてチームとしても個人としてもおおむね合格点。さあ、次は東京ヴェルディが相手だ。新潟が過去に一度も勝ったことのない緑の軍団をデンカビッグスワンスタジアムに迎える。初勝利のビッグチャンス。その歓喜の場に、好調の背番号24もいるに違いない。
写真◎ALBIREX NIIGATA/J.LEAGUE