3月1日にアルビレックス新潟への加入が発表されたGK瀬口拓弥が3日、オンラインで移籍会見に臨んだ。突然のオファーも家族の後押しで踏み切った。昨季は徳島ヴォルティスで昇格を果たした。その経験を新潟に注入する。

上写真=阿部航斗(左後ろ)、藤田和輝(中後ろ)とポジションを争う瀬口拓弥。徳島での経験を生かす(写真提供◎アルビレックス新潟)

「僕は誰からでもいいところは盗みたい」

「目標はJ1昇格です。そのためにできることはすべてやります」

 急転直下の移籍だった。アルビレックス新潟は3月1日、徳島ヴォルティスからGK瀬口拓弥を獲得したことを発表した。小島享介が左脛骨の疲労骨折で2月9日に手術、全治まで術後4カ月であることも同時に明かされ、阿部航斗と藤田和輝の2人だけになったGK陣を補強するべく、白羽の矢が立った。

 新潟のGKはベテランがおらず、小島が24歳、阿部が23歳、藤田が20歳で若手で占めていた。今回、32歳の瀬口が加わり、「経験」を注入できる。特に、昨季J1昇格を果たした徳島での日々は大きな財産だ。

「昨年で言うならば昇格を経験できたので、チームが悪いときもあると思いますが、そういうときに力になれればと思っています」

「長くやっている中で言うならば、判断基準がどこにあるのかを示すことができます。判断やポジショニング、フィールドの選手の動かし方、動かしたときに自分がどこに立つべきか、など、アドバイスできることがあればしたいと思います」

 もちろん、年上という立場に甘んじるつもりはない。

「歳は関係なくて、僕は誰からでもいいところは盗みたいので、2人からいいところを盗みたいと思っています。2人ともプレーのスピード感は速いなと感じます」

 阿部は2月28日の開幕戦、ギラヴァンツ北九州戦でデビューしたばかり。藤田もデビューは昨季で、21試合にプレーしている。ともに反応の良さでビッグセーブを連発しており、瀬口も負けるわけにはいかない。自身の良さは、判断とコーチングだという。

「ビルドアップを求められると思うので、つなぐのか、どこに蹴るのかの判断はしなければいけません。ビルドアップにはどんどん関わっていきますし、守備に対しても攻撃に対してもコーチングで力になりたい」

 その強みを注入する新潟のサッカーの魅力とは?

「コートを広く使って前に前にとアグレッシブに進むところはいいなと思っています。あとは、カウンターで長く走れる選手、出ていく選手がいるのはいいなと」

 開幕戦はさっそくチェックして、イメージをふくらませている。

「攻撃のところはとても魅力的だと思いますし、守備の切り替えも速いので、昨年の徳島のようにいけるなという感じです」

 徳島はJ2で優勝して見事に昇格を果たした。それは新潟が目指している姿だ。徳島の一員として手にした「昇格の心得」とはなんだろう。

「まだ新潟のことをすべて把握しているわけではないので一概に言えませんが、スタートで出る選手だけじゃなくてサブやメンバー外の選手も、すべての選手が同じ方向を向いてやることです。そして、ファンやサポーターの皆さん、クラブのスタッフ、スポンサーさんを含めて皆さんで一体感を持ってやることが、必ず昇格につながります」

「一体感」という大きな手土産を持って、瀬口は新潟で「2年連続昇格」を決めてみせる。


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