上写真=先制ゴールを挙げた深堀隼平(写真◎J.LEAGUE)
■2021年2月28日 J2リーグ第1節(@Ksスタ/観衆3,312人)
水戸 1-2 大宮
得点:(水)深堀隼平
(大)柴山昌也、奥抜侃志
「逆転負けは悔しいけれど、すぐにまた試合が来ます」
水戸の開幕ゴールを挙げたのは、背番号18のFW深堀隼平だった。「4-3-3」システムの左ウイングを務めたストライカーは、8分に中央のFW安藤瑞季からゴール前へスルーパスが送られると、そのままスピードに乗って左足でゴールに蹴り込んだ。
「瑞季(安藤)が良い形でドリブルで(ボールを)運んでいたので、外側から一気に内側に入っていきました。良いボールをくれたので、あとは流し込むだけだったかなという感じです」
昨季と同一カードとなった大宮との開幕戦。1-2で敗れた1年前のリベンジを果たすために、この上ないスタートを切ったように思えた。ただ、「ゴールシーンでいえば、奪って、速いショートカウンターで仕留めるのは狙い通り。でも、他の場面でも(ボールを)取って速く(前へ)出ていくことだったり、もっとできるシーンはたくさんあったと思います」と深堀は話す。前半は主導権を握ってゲームを支配したが、後半は試合の表情が一変した。
「蹴り合いになって、ファーストボールのところで競り負ける回数が増えたり、セカンドボールを拾えなくなったり、その中で走力も落ちました。そこはやっていて感じた部分です。球際の部分で負ける回数が多くなってしまった」
後半は大宮に攻め込まれる場面が増え、2失点を喫した。結果的に、1年前と同じスコアでの逆転負け。深堀はまだ1点をリードしていた64分に退いたが、「なかなかボールが収まらない時間が続いたので、個人的にはもっとボールを引き出して、落ち着かせたりできればよかった」と悔しさをにじませた。
昨季と同様に黒星スタートとなった。ただ、長いシーズンは、まだ始まったばかり。深堀は「サッカーの原点に立ち返るというか、全員で球際の部分だったり、練習からもっと意識してやらないと、また今日みたいなことになってしまう」と危機感を募らせるが、開幕1試合目で味わった痛みは、今後の巻き返しへの動力源にもなっていくだろう。
「逆転負けは悔しいけれど、すぐにまた試合が来ます。攻撃でやりたい部分をやれているシーンもありました。続けていくところは続けて、今日出た課題は全員で共有して、次のアウェーの北九州戦でもっと積極的に良さだったり強みを全員で出していければ、結果はついてくると思います」
開幕連敗を阻止し、勝ち星を重ねていくために。水戸は大宮戦の敗戦を糧に、リスタートを切る。
取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE