上写真=開幕に向けて選手たちの動きに目を光らせる渡邉監督(写真◎石倉利英)
「積み上げてきたものには自信を持っている」
山口は2月28日の開幕戦で、ホームの維新みらいふスタジアムに松本を迎える。試合3日前の練習を終えた渡邉監督は「立ち上げからやってきていることを、選手たちも狙いを持ってチャレンジしてくれている。一日一日、しっかり積み上げてきています」と準備状況について語った。
昨季はJ2最下位に終わる不本意なシーズンとなったが、新監督は「2年でJ1昇格をつかみ取る」と目標を掲げている。立ち上げ当初を「ほとんど手探りというか、初めて会うようなメンバーばかり。どれだけできるのか、想像力を持ちづらかった」と振り返りつつ、「現時点で持っているものを100パーセント出そうという、選手たちのエネルギー、気概を感じている」とコメント。「もちろん、もっと良くなるし、ここまで積み上げてきたものには自信を持っている」と心境を明かした。
松本については「プレシーズンの情報は、なかなかない。どういうメンバー、どういうシステムで来るのか、分からないのが正直なところ」。J1経験があることや、オフの補強を踏まえて「間違いなく、昇格候補の一つになると認識している」と分析するものの、「そういったチームに我々がどういう姿を見せられるかは、一つの試金石。今季を占う上でも大きな一戦になると思っている」と位置付けを語っている。
選手たちも最下位からの巻き返しに意気込んでいるはずだ。「いろいろな高まり、緊張感があると想像しているし、しっかり想定しておこうと話している」とコメントした渡邉監督は、一方で「すべての感情をプラスのエネルギーに変えていきたい。それは自分のメンタルのコントロールで、いかようにもできる。そういうメンタルの準備をしようと話している」という。
続けて、ひと際力強く語ったのは、ホームでの勝利への思いだった。
「維新とは勝つ場所だと、しっかり証明できるような1年にしたいと(選手たちに)伝えている。ホームで勝ち点3を取りに行く、つかみ取ってみせるという試合にしていくと選手に伝えています」とコメント。コロナ禍にあっても来場するファン・サポーターに向けては「同じ思いで戦っていただきたい。声は出せませんが、皆さんの気持ち、思い、念は、必ず届きます。景色をオレンジ一色に変えられると思う。ぜひ維新を、そういう雰囲気に変えてくれれば」と呼びかけた。
指導者になる前の現役時代から、試合前の軽食では、もちを食べるのがルーティンだという。山口での初采配に向けて「僕自身は平常心でいることができている」とし、「唯一、不安があるとすれば、維新のスタジアムの入り口が分からない。マネジャーに確認しておこうと思います」とジョーク交じりに語って笑顔。初めて足を踏み入れる新しいホームスタジアムで、新生・山口がどんな戦いを見せるのか注目される。