上写真=谷口海斗は本来のFWではなく右サイドハーフでプレーしたが、気の利いたプレーでゴールに絡んだ(写真は新体制会見/提供◎アルビレックス新潟)
「動き出しを狙うタイミングが増えました」
1得点2アシスト。J3得点王がいきなりインパクト十分のプレーで、アルビレックス新潟の熱いサポーターにあいさつだ。
谷口海斗は1月30日、JFLの高知ユナイテッドSCとの練習試合で、30分×3本の最初のゲームに登場した。ポジションは4-2-3-1の布陣の右サイドハーフ。アルベルト監督は「センターフォワードとしての才能は把握しているので、他のポジションでどれほどできるか試しました」と起用の意図を明かす。「満足以外のものはありません」と付け加えて、手放しで喜んだ。
縦パスで右サイドを抜け出してセンタリング、これで7分のロメロ・フランクの先制ゴールを導き出した。18分には島田譲からのFKに岡本將成がヘッドで合わせ、こぼれたところを思い切りよく蹴り込んで、新潟初ゴールを決めてみせた。直後の19分には相手のクリアミスをヘッドでゴール前に送り込み、鈴木孝司の追加点をアシスト。合流して1週間とは思えない気の利いたプレーの連続だった。
「(得点シーンは)フリーキックから將成が競ってくれて、(こぼれ球を蹴り込んで)うまく入ってくれてよかったです。始まって1週間なんですけど、試合という形なので結果にこだわってやっていけと監督に言われていて、得点に絡めてよかったです。
自分の持ち味を出すところとチームのやるべきことがありましたが、裏への飛び出し、ゴール前での仕事を意識していたので、結果としてできてよかったです」
YouTubeでの配信で、どこか吹っ切れたように、気持ちよさそうに語ったのが印象的だ。
新潟は昨年、内容が良くても結果が伴わない、という苦い経験をいやというほどしてきた。練習試合であっても、内容はもちろん結果に意識を置くことは大事なこと。それが新戦力の1ゴール2アシストという形になって実ったのは大きい。
谷口は昨季はロアッソ熊本で34試合に出場して18得点、J3得点王の肩書を引っさげて新潟にやって来た。このチームの象徴である「ボールとともにプレーすること」の恩恵を、さっそく得たようだ。
「自分たちが主体的にプレーしてボールを持てているので、動き出しを狙うタイミングが増えました。ゴール前でもっともっと仕事ができるように頑張ります」
動けば動くだけ、ボールが出てくるという幸福。ゴールハンターにとってはこの上なく心地よいに違いない。本来のFWではなく、右サイドハーフでのテスト起用でも輝いたことは、可能性を広げるのに十分だった。
「開幕までしっかりキャンプで全員で統一して、いい準備ができるように頑張っていきたいと思います」
コンビネーションが深まれば、もっともっとチャンスに絡んでいくはず。期待はどんどんふくらんでいく。