上写真=1月23日の練習後にオンラインで取材に応じたチョウ・キジェ監督(写真◎京都サンガF.C.)
「全体の底上げは間違いなく必要」
京都は1月16日から18日までは距離を空けた状態で練習を行ない、PCR検査の結果を受けて20日から通常のトレーニングに移行。23日で始動から1週間となり、チョウ・キジェ監督は「まだ全員とは話ができていませんが、顔と名前は一致した」と語った。
指揮官は開幕を見据えて「毎日が戦術の練習、メンタルの練習、フィジカルの練習、技術の練習、ということだと思っている」とコメント。「いまのサッカーは、どういうスタイルでやっているかよりも、何か確実に欠落しているもので勝ち点を落としてしまうサッカーになってきている」と現状を分析し、「全体の底上げは間違いなく必要。そういうところを押さえた上で、自分たちの強みを出していくことに特化した練習は続けていきたいと思っている」と今後のプランの一端を明かした。
湘南ベルマーレでの長期政権と、その後のブランクを経て、古都で新しいスタートを切る。京都でチャレンジしたいことは何か、との質問には「とにかく攻撃、得点を取ることにこだわってやっていきたい」ときっぱり。「だからといって失点が増えてもいいという話ではなく、得点を取るアクションを起こすことで、失点が減るというサイクルを作っていきたい」と続け、「そのために、選手の特徴に合わせたり、選手が分かりやすいやり方・理屈を提示して、そこに選手のアイディアが乗っかるようなものを作っていかなければいけない」と持論を述べた。
得点へのこだわりに関連して「ボールより前に人を置くこと、その人数が多いことが、僕が考える一番のキーワード」という説明もあった。「それに対して、こうなったらやられる、こういう場合は失点してしまう、というリスクもありますが、それらを共有しながら、理解しながら、いかにゴールに向かっていけるか」とアグレッシブなスタイル構築へのポイントを挙げている。
この日の練習では初めて紅白戦を実施し、あえて選手たちに布陣を言わずにプレーさせたという。「システムの話よりは、各ポジションの役割で話をして、それを突き詰めていくやり方をやっている。役割の名称をつけながら、イメージしてやって欲しいと思っている」というアプローチは、湘南時代にはやっていなかったと明かしており、新しい指導スタイルを取り入れながらチーム構築が進められている。