上写真=1月18日に移籍が発表されたばかりの奈良竜樹。アビスパ福岡の一員として第一声をあげた(写真◎スクリーンショット)
「誰が出ても鹿島」から「どこで出ても鹿島」へ
すでに陣容が発表されたあとの加入だから、なおさら期待は高まるだろう。1月18日に期限付き移籍での加入が発表されたばかりのDF奈良竜樹が、アビスパ福岡での新しいチャレンジについてクールに語った。
「去年は鹿島という素晴らしいクラブで1年戦わせてもらって、今年に関しては悩みもありましたし、でもこうやって声をかけてもらって自分を必要としてくれて、チームとしても大きな挑戦の年というところでチャレンジしたいと決めました」
鹿島アントラーズでは昨季、わずか6試合の出場となったが、11月14日のJ1第27節、古巣の川崎フロンターレ戦では出色の出来だった。鹿島の選手に新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となる選手が出るなど、計6人が欠場したことで出場し、センターバックとして奮闘、1-1の引き分けの立役者の一人となった。タイトな守備を披露した試合後には「誰が出ても鹿島」の名言を残して、鹿島というクラブのレベルの高さを自らの言葉で表現した。
誰が出ても鹿島、を地で行った奈良からだから、今度は「どこで出ても鹿島」を表現するだろう。鹿島というクラブの勝者のメンタリティーを発揮して、いわば伝道師となって自然と福岡に植えつけるのではないだろうか。
「練習から目的意識をしっかり持って本気で取り組んでいるチームが、強豪クラブになると思うし、実際に川崎や鹿島に在籍して、普段の試合では見られないそれ以外の部分の質が実際のピッチで出ると思うので、僕も取り組みたいし、チームとしてもそういう雰囲気を作れればいいと思います」
福岡を率いる長谷部茂利監督も厳しさを追求する点では変わらない。昨季もリーグ最少失点の堅守を誇るチームを仕立て上げた。
「攻守にアグレッシブに、と監督がおっしゃっていました。実際のプレーのイメージをそれほど持っているわけではないですが、そういうワードが出てきているというところは、その戦いで昇格してきたのがベースになるのではないかと思います」
そのために、まだ合流してきたばかりのチームに還元できることはたくさんある。
「まずはしっかりディフェンスラインのリーダーとなって守備の中心でやらなければいけないと思うし、より上のステージでレベルの高いアタッカーを抑える部分で負けないように頑張っていきたい」
「しっかりしゃべらないといけません。J1ではどのクラブにも日本でトップレベルのフォワードが1人2人いると思うので、組織も声で構築しなければいけない。そして、個のバトルで僕も負けないように得点源をしっかり抑えることで、勝ちを呼び込めるようなところを意識したいと思っています」
長谷部監督は今季は10位以上を目標にしている。
「僕も一緒に目標を達成できるように戦いたいと思うし、福岡にとっては残留することで次のステップに進めると思います。そこにチャレンジできるというのが僕にとって喜びです。いいチームになって戦っていければいいと思います」
2020年シーズン終了時点でJ1では99試合に出場している。福岡でのデビュー戦が区切りの100試合目だ。2021年シーズン第1節、2月28日の名古屋グランパスがいまから待ち遠しい。