明治安田生命J2リーグ第40節で3位のV・ファーレン長崎が東京ヴェルディに完勝。貢献したのが左サイドバックの米田隼也だ。10月25日以来、11試合ぶりの復帰戦となったが、攻守に賢くプレーして勝利のキーマンになった。

上写真=11試合ぶりに復帰した米田隼也。左サイドバックとして攻守に気の利いたプレーを見せた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年12月13日 J2リーグ第40節(@味スタ:観衆4,754人)
東京V 0-2 長崎
得点者:(長)角田誠、大竹洋平

「食いついてスペースを使われないように」

 10月25日の大宮アルディージャ戦に出場して以来、およそ1カ月半、11試合ぶりの復帰戦でフル出場。V・ファーレン長崎に負傷の癒えた米田隼也が帰ってきた。

「離脱期間はスタジアムの上から見ることが多かったので、自分が出たときをイメージしながら見ていました。リハビリトレーニングもしっかりやれていたので、離脱する前よりもいまの方が体のコンディションが上がっている感じがします」

 左サイドバックに入って攻めに守りに豊富な運動量を生かして、上下動を繰り返した。そのフィジカル能力を生かしながら、賢く守った。

「ヴェルディは僕たちが食いついたところのギャップやポケット(ゴールエリアの横のあたりのスペース)を狙ってくるサッカーなので、そこを取られないように気をつけていました。食いついてスペースを使われないようにしました」

「僕があまりウイングに食いつきすぎるとスペースを使われるので、僕は牽制するだけで(氣田)亮真に戻って守備してもらうようにしました。ちょっと今日はしんどくなる感じでしたが、亮真に頑張ってもらって、僕も声を後ろからかけて間を通されないようにしたり外側に行かせて遅らせるようにしたのがうまくできたと思います」

 手倉森誠監督も「真面目にやれば相手は手数を増やしてくれるので、ユニットを広げられたときにスルーパスは出されなかった」と手応えを感じていて、米田の久々のプレーにも目を細めた。

「ゲーム感覚は連戦の中では練習ではなかなか取り込めないので、ゲームに復活させるしかないんです。彼は今日、左サイドで攻守に運動量が落ちずにやってくれました。推進力があるので相手への対応力があるし、ボールを取ったときに高い位置を取れました。シーズン終盤に来て、回復組が元気な姿を見せてくれて心強いですね」

 特に高い位置を取ったことが、攻撃だけではなく守備でも効いた。東京Vの佐藤優平や小池純輝、若狭大志を押し下げることによって、リスクを軽減する効果もあった。

 そして、先制ゴールになったCKは、まさに左サイドで米田が高い位置まで攻め上がり、センタリングが最終的にクリアされて得たものだった。

「ファーストプレーもうまくいって試合の流れにも入れていたので、楽しみながらやれていました」

 残り2試合も楽しんで、昇格を信じて連勝するだけだ。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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