明治安田生命J2リーグ第37節でアビスパ福岡が大宮アルディージャを1-0で下して2位をキープした。フアンマ・デルガドの決勝ゴールを生んだのはエミル・サロモンソンのクロスだが、そこにパスを届けたのは増山朝陽だった。

上写真=右サイドで攻守に戦った増山朝陽。サロモンソンへのパスでゴールへの道を作った(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月29日 J2リーグ第37節(@ベススタ:観衆5,178人)
福岡 1-0 大宮
得点者:(福)フアンマ・デルガド

「やられてはいないので自分たちを信じて」

 難しいゲームだったが、勝ち切った。昇格を実現させるためには、それがまさに必要なことだ。

「うまくいっていないというのはすごく感じました」

 アビスパ福岡の増山朝陽も、前半のピッチの上でそう感じ取っていた。増山と石津大介の両サイドハーフが推進力を生かしてスピーディーに攻めていきたいところだったが、大宮アルディージャの守備にうまく消されてしまっていた。ただ、うまくいかなければうまくいかないなりに、守備を引き締めながら試合を進めることができるのも、いまの福岡の強みかもしれない。

「そんな中でも、前半はうまく相手の攻撃をゼロで抑えられたのはポジティブにとらえることができましたし、後半はしっかり足を振っていこう、シュートを増やそうという話が出ました。そこで得点できたのが大きいですね」

 58分の一発がこの日、唯一のゴールだった。中盤で相手のトラップミスを重廣卓也が拾って前寛之につなぎ、増山が受けて右外に展開、これをエミル・サロモンソンが得意のクロスを送って、中央でフアンマ・デルガドがヘッドで突き刺したあっという間の一撃。

「まずヒロくん(前)がうまく僕に入れてくれて、(遠野)大弥もすごく呼んでたんですけど右にオープンスペースが空いていたので、プレスバックしてきた選手をはがせてエミルにフリーで渡すことができました。エミルのボールがすごく良かったですよね。フリーだといいボールを入れられるので、ああいうシーンをもっと作ってあげたいですね」

 福岡らしいスピード感のある攻撃がなかなか出させてもらえなかったが、ようやく実った。落ち着いてていねいにプレーを続けたご褒美かもしれない。

「焦れずにやっていこうとしていて、ただ、やられてはいないので自分たちを信じてやっていこうと。そこは選手たち自身も分かっているので、声を掛け合っていきました。やられないのがまず大事なので。あとは、ゴール前やカウンターというストロングを出せるように思い切ったプレーが大事でした」

 前日にV・ファーレン長崎がアルビレックス新潟に勝って勝ち点で並んで猛追してきていただけに、もう一度引き離す必要があった。だからこそ、値千金の勝ち点3だ。

「プレッシャーの中でやれるのは、選手としてメンタルの部分で成長できますし、勝負強さがつくと思います。こういう試合で、自分のゴールで勝たせられるような活躍をしたいですね。まだまだ勝ち点で並ばれたら長崎さんに得失点で追い抜かれるので、やれることをしっかりやっていかければと思います」

 ここからはファジアーノ岡山、ツエーゲン金沢、京都サンガ、愛媛FC、そして最終節で首位の徳島ヴォルティスと戦うスケジュール。まずは岡山戦で4試合ぶりのゴールを決めて、チームに勝利をもたらしたいところだ。

写真◎J.LEAGUE


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