上写真=今季13試合目のクリーンシート。新井章太はこれを続けていく意欲を示した(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月15日 J2リーグ第34節(@デンカS:観衆9,355人)
新潟 0-2 千葉
得点者:(千)アラン・ピニェイロ、クレーベ
「うちは守備のチームなので」
およそ2カ月ぶりの連勝だ! ジェフユナイテッド千葉がJ1昇格へしのぎを削るアルビレックス新潟と敵地で対戦し、2-0の完封勝利。9月12日の第19節愛媛FC戦と19日の第20節ファジアーノ岡山戦にそれぞれ2-0、2-1で勝って以来の連勝を手にした。どちらもアウェーでの厳しい戦いを制したところにも意義がある。
そして、GK新井章太にとってはクリーンシートこそが自信になるだろう。10月21日の第28節ツエーゲン金沢戦以来の無失点。そこから5試合連続で計12失点と苦しんだからこそ、「結果的にゼロで終えることができたのは、前線のフォワードから中盤、ディフェンダーまで最後まで体を張ってくれたからですね」と仲間の頑張りに最大級の感謝を示した。
新潟とは前回対戦で1-3で敗れている。スコアの上でも内容の上でも実力差を示された結果の黒星だった。そのときは尹晶煥監督もさすがに「何が不安なのか、何が怖いのか分からないけれど、もっと自信を持って戦わなければいけない」と厳しく言及せざるを得なかった。
それが9月9日の話。2カ月たって、意識は変わっていた。いや、新井にしてみれば変わったのではなく、できなかったことができるようになっただけだと感じている。
「守備で強く行くというのはずっと言っていたことで、実際にできていなかっただけです。やろうとしていることは今日の守備のような感じのことを目標にしていたので、こうして結果が出ることによってどんどんいい守備になることを祈っています」
相手に自由を与えずにボールと人に厳しく寄せて、ブロックをコンパクトに保って縦パスを通させない。
「最近まで、守備に行けているようで行けていなくて、でも今日はサイドハーフがガッツリ行ってくれることで簡単にポゼッションをさせない意識でした。前からの連動もスライドもしっかりできることによってどんどんいい守備になったので、これを続けていきたい」
今季就任してディフェンスの哲学を植えつけてきた尹晶煥監督。この試合後には「フォワードもそうですが、中盤2人のスライドも良かったと思います。ボールホルダーへのアプローチが良かったし、距離感も良くて、前を向いて前進守備ができました。新潟対策ということではなく、前節と同じように守備の意識が芽生えてきて、そこで出たミスを修正することができました」と継続への手応えを口にした。紆余曲折がありながらも、ここで攻撃自慢の新潟を抑え込むことができたのは一つの達成だろう。それは、新井も同じ気持ちだ。
「ベースを変えずに、うちは守備のチームなので我慢するところは我慢してやっていきたいと思います。我慢すれば攻撃でチャンスが来るので、そこは全員で統一してやっていきたい」
攻撃に強みを見せる新潟と、堅守を作り上げようともがく千葉。それぞれの特徴をぶつけ合ったゲームで自分たちのポリシーを表現し、しかも勝利を収めたことが、これからの千葉の基準になるだろう。
写真◎J.LEAGUE