11月8日、明治安田生命J2リーグは第32節が開催され、京都サンガF.C.は栃木SCとアウェーの栃木県グリーンスタジアムで対戦。前半から相手の堅い守備をこじ開けることができず、後半に失点して完封負け。攻撃的な位置で先発フル出場した仙頭啓矢は反省点を口にした。

上写真=90分間にわたって京都の攻撃をけん引した仙頭啓矢(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月8日 J2リーグ第32節(@栃木グ:観衆2,548人)
栃木 1-0 京都
得点:(栃)明本考浩

「後ろまでボールを下げ過ぎた」

 京都は前後半で相手の12本を上回る16本ものシュートを放ったが、ゴールネットを揺らすことができず、勝ち点を積み上げることはできなかった。栃木のGK川田修平の好守に阻まれる場面も多くあったものの、特に前半は相手の堅い守備に手を焼き、5本のシュートはどれも決定機と呼べるものではなかった。

「相手は後ろ(DF)も強いプレッシャーでどんどん来ることは分かっていました。その裏を狙うことを意識して、裏を取れるシーンもあったんですけれど、なかなか意図的に、有効な形で(相手の最終ラインの裏のスペースに)入ることは少なかったかなと思います」

 2列目の位置で先発フル出場した仙頭啓矢は、そのように試合を振り返る。「僕、ウタカ、ソネ(曽根田穣)の距離感は意識していました」と言うように、前線の3人で攻撃を組み立てようとしたが、彼らにボールが入れば栃木のディフェンス陣は果敢にボールを奪うために寄せてきた。それを逆手にとってゴール前のスペースを突く狙いもあったのだろうが、仙頭の言うように狙い通りにいった場面は少なかった。

 むしろ、決定的なチャンスが多く生まれたのは後半戦。前半の倍以上の11本ものシュートを放った。特に荒木大吾、谷内田哲平、福岡慎平が途中交代でピッチに入った後半30分過ぎからは、「前を見る意識の高い選手が入ってきたことによって、前へのパスでどんどん推進力が出たと思います」(仙頭)と、攻勢をより強めた。

 ただ、終盤のチャンスも物にできず完封負け。最後までゴールを奪い切れなかったことを、仙頭は反省する。

「キーパーまでボールを戻すシーンが結構あったり、後ろまでボールを下げ過ぎた。相手がプレッシャーをかけてくる中でも、前向きにサッカーをすることが必要だったのではないかなと思います」

 今節では2位の福岡が敗れたが、京都も手痛い1敗を喫したため、J1昇格圏との勝ち点差は「15」のまま。残り10試合、この差を逆転して2位以内に滑り込むのは、もはや至難の業と言えるかもしれない。それでも、仙頭は今節の栃木戦の反省を次に生かし、また高みを目指していく。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


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