上写真=端戸仁は攻守に労を惜しまず汗をかき、アシストもしたが、敗戦を悔やむばかり(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月7日 J2リーグ第32節(@味スタ:観衆5,181人)
東京V 1-2 徳島
得点者:(東)藤田譲瑠チマ
(徳)清武功暉、岩尾憲
「勝負運というか…難しいですね」
「勝てたな、というゲームでしたし、今日に限らず前回も前々回もなんで勝てなかったんだろうなという試合で、うまく気持ちの整理ができないです」
端戸仁は試合後、開口一番、そう絞り出した。
18分に先制されながらも、43分に藤田譲瑠チマのゴールで追いつき、後半もその勢いを維持して自分たちのペースに持ち込んだ。だが、決められない。そうするうちに不運にもハンドでPKを献上する形になって、首位の徳島ヴォルティスに1-2で敗れたのだった。
「いいゲームができていたし、前半は少し重かったけれど後半には守備も修正してチャンスもありました。勝負運というか…難しいですね、整理できないです」
一度は同点に追いつくゴールは端戸がアシストした。相手のパスの小さなズレを見逃さなかった藤田がボールを奪うと、前線にいた端戸へ。ターンしてゴールに向かい、十分に相手をひきつけて右に走り込んだ藤田にていねいにラストパスを送ると、藤田が右足を振り抜いてゴール左を破った。
「前半の最初に、持ち込んで(井上)潮音に出したプレーがあるんですけど、その反省が自分にはあって。そのときは足元に出してしまったんです」
3分のそのシーンでは左を走った井上のスピードを殺すようなパスになってしまい、井上はシュートを打てなかった。その反省が頭の中に残っていた。
「だから、ジョエルには前に置いてあげるようなイメージで出しました。それがつながったのでよかったです。相手の前にジョエルが入っていたので、前に置いてあげれば振り抜けるので」
計算通りの結果になった。
それでもやはり、負けたことへの不甲斐なさは消えない。
「今日は自分のところでパスのずれがあったし、前半は全然動けていなくてチームに迷惑をかけてしまいました。次の試合まで短い中ですが、準備がすべてだと思うので、しっかり反省していきたい」
3分のミスを43分の得点で成功に結びつけたように、この90分の敗戦を次の京都サンガ戦に生かす。残りはもう10試合。これで5試合連続フル出場と永井秀樹監督の信頼も勝ち取っただけに、1試合でも、1分でも多くピッチに立って、勝利を目指していくだけだ。
写真◎J.LEAGUE