上写真=試合に絡めない間はパワーアップを図ったという。その成果が楽しみだ(写真◎ジェフユナイテッド千葉)
「アクセントをつけられれば」
8月19日のJ2第13節V・ファーレン長崎戦でフル出場して以来、高橋壱晟は出番を失っていた。しかし、第21節レノファ山口戦からFC琉球戦、京都サンガ戦と3試合でベンチに入り、琉球戦では1点リードの89分にピッチに飛び出して、最後を締める役割を果たして1-0の勝利の一員になった。
「常に100パーセントで頑張っているので、特別なことはないですけれど、コンディションが上がってきたのでベンチに入れるようになったと思っています」
その3試合、山口には1-2で敗れたものの、琉球、京都は1-0、0-0というクリーンシート。守備の手応えからくる好ムードがチームを包む。高橋も「堅い守備は統一されてきたかなと思いました。僕が入ってもそれを変えずにできるように良い準備はしています」と腕をぶす。
準備については、試合に絡めなかった時期に課題に取り組んでいた。それが体力づくり。
「自分の中でも体力面は反省としてあったので、個人的にメニューをもらって強化しました。以前より改善されていると思います。走る部分ですね。シンプルなことをやっていました」
一方で瞬発系の筋力アップにも取り組んでいて、スタミナを高めることと並行して積み重ねてきたという。
そのパワーアップが、堅守のプラスアルファになりそうだ。現在の守備の安定は「ラインでブロックを作るので、ずれないようにスライドしていくこと」「ボールにアタックするところ」が担っていると見ていて、「そこは厳しくやっていきたいと思います」と意欲を語る。体力面の向上には手応えがあるようで、「技術は同じボランチの選手たちはみんな高いので変わらないですが、僕が夏以降、走ってきたりという部分に取り組んできたので、そこでアクセントをつけられれば」と話すのだ。
そのアクセントの一つは、攻撃面だろうか。2試合連続完封という明るい兆しの一方で、その2試合で得点は1。改善していきたいところだ。
「僕はボランチなのでその目線から、もう少し攻撃参加する回数を増やしたいなと思って試合を見ていました。シンプルにゴール前に入っていく回数ですね。それを自分が増やしていきたいです」
厳しく守ってゴール前へ。そしてまた戻って厳しく守って。その繰り返しでボランチ争いに加わっていきたい。
次節は最下位のザスパクサツ群馬とのアウェーゲーム。前回、第9節のホームゲームでは試合終了直前のアディショナルタイムに決勝ゴールを奪われるショッキングな敗戦を食らった。その試合、高橋はベンチ外だった。
「前回、試合をしたときも群馬は最下位でしたけど、悔しい敗戦になりました。今回こそは逆に、こっちができるんだという意気込みでやりたいと思っています」
「ショートカウンターがあるチームだと思っています。(前節の)山形戦を少し見ましたけど、そういう形がありました。だから、奪われ方には気をつけないといけないと思います。こちらがボールを持てると思うので、その中でどう崩すかだと思います」
高橋らしいボランチ像を表現して、シーズン後半戦のキーマンになることが期待されている。