上写真=クレーベ(右)とヨルディ・バイスの激烈なバトルは迫力満点だった(写真◎J.LEAGUE)
■2020年9月30日 J2リーグ第23節(@フクアリ:観衆1,768人)
千葉 0-0 京都
尹晶煥監督「揺さぶりきれなかった」
どちらにも残念だが、痛み分け、という言葉がやはりしっくりくる90分だった。
前半は両チームともボールがよく回った。ホームの千葉は最終ラインを経由して逆サイドに振って、高い位置に立ったサイドバックに送り込み、ポイントを作って崩しを狙った。アウェーの京都はアンカーの庄司悦大を起点にして、近くの選手同士でショートパスを交換して穴を探した。しかし、千葉はサイドを割ることができず、京都も千葉のブロックの中に効果的なパスを差し込めないままだった。
そのため、フィニッシュに至るシーンが少なくなった。11分に京都の福岡慎平が狙ったのも、千葉が16分に船山貴之、19分に見木友哉、29分にクレーベ、31分に為田大貴が放ったのも、いずれもミドルレンジからのシュートで、ゴールを割ることはなかった。お互いに守備が冴えて守りきったというよりは、攻めあぐねたというもどかしさが残った前半。
だから後半は、どちらもゴールを取りに前への圧力をかけた。とくにポイントになったのは千葉の左、京都の右で、千葉は後半途中から右ボランチだった田口泰士が左に回って左サイドバックの安田理大とのコンビで起点を作り、京都は飯田貴敬の縦への推進力を生かして裏のスペースを取りに出た。京都はエースのピーター・ウタカが広いエリアで顔を出してパスを散らしていき、85分とアディショナルタイムに決定機を迎えるもののゴールはなし。
お互いに攻めあぐねた印象で、結局スコアレスドローに終わった。まさに勝ち点を分け合うことになった。
京都の實好礼忠監督はまさにその攻めあぐねた点を悔やんだ。「90分、どちらがスキを突けるか、見せないか、という戦いで、何度かボールを動かしてスキを見つけた瞬間はあったのですが、仕留められませんでした」
千葉の尹晶煥監督はゲームコントロールに手応え。「高い集中力と組織力、そしてフィジカルで負けない強さで攻守に余裕を持って落ち着いてできました」。ただやはり「相手も守備にパワーを使っていたので、回しはしたんですけど揺さぶりきれなかった」と攻めきれなかったことを課題に挙げた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE