明治安田生命J2リーグでアルビレックス新潟は9月30日の第23節でアウェーに乗り込んでFC琉球と対戦する。共同キャプテンでもあるシルビーニョは、前節で久々に出場して得た「プレーする喜び」を南の島で思い切り表現するつもりだ。

上写真=前節の甲府戦では30分ほどプレー、右ウイングとして攻撃に奔走した(写真◎J.LEAGUE)

「キーパーでも!」

プレーする喜び。それを素直に表現したおよそ30分だった。

 アルビレックス新潟のMFシルビーニョは来日2年目となる今季、堀米悠斗との共同キャプテンとして名実ともにリーダーになった。しかし、9月9日のJ2第18節ジェフユナイテッド千葉戦から4試合、ベンチにも入れなかった。これだけ長く試合に絡めなかったのは今年初めてだ。

 だからこそ、喜びにあふれていた。9月26日の第22節ヴァンフォーレ甲府戦で大本祐槻に代わってピッチに飛び出すと、全身から喜びがあふれ出て、チームの勝利のために走った。

「もちろん勝ちたかったのが一番です。それまで4試合に絡めていない中でチームをサポートする意味では、試合に出ることだけでなくグラウンド外でもできることはやってきました。でもやっぱり、ゲームに出ることができてうれしかった。チームのためにと思ってプレーしました。プレーする喜びを感じることができましたが、結果につながらなかったのは残念です」

 結局、試合は1-1で終了。これで新潟は4試合連続で勝利に見放されることになった。

 ベンチにも入れなかった間は試合を外から眺めるしかなかったが、それでもチームの成長は十分に感じていた。

「ジェフに勝ったあとは、勝利にはつながっていなくて、少しチームとして波があるのかなとは見ていました、ただ、アルベルト監督が来てからやろうとしている狙いは浸透してきていますし、それに向けてすべて勝つことを目指してやっています。この4試合は引き分けと負けで、内容は良かったけれど結果の出ない状況で、もやもやする部分も出ては来るけれど、チームとして成長しているのを感じます」

 こうして歩みを進めるチームにあって、ピッチの上で自分の力でチームの成長を促したいと強く願うのは選手としては当然のこと。久々の出場となった甲府戦では右のワイドのポジションでウイング的な役割を求められて、ピッチに飛び出していった。

「右サイドのウイングのところから背後を狙うように監督から要望もありました。その役割でのプレーはこれまでほとんどなかったので、こういう動きができるんだな、とか、このタイミングでなら行けるんだな、と感じてプレーできました。ただ、僕がアシストを決めていれば勝てたと思うので残念でした。それでも、プレーの幅が広がったと思いますから、どんどん背後を狙っていきたいと思います。試合に出られるならキーパーでも!」

 最後の一言で、どれだけ試合に出たいのか、よく分かるだろう。

 そんな思いがこもった言葉が、もう一つ。ここ4試合で得点はわずかに2。その改善に必要なものを聞かれると…。

「シルビーニョが必要なのではないでしょうか!」

 もちろんすぐに「冗談ですよ!」と付け加えて笑ってから、真顔に戻ってこう続けた。

「少し不運なこともあるので運も必要かなと思いますが、点を取るということについては練習を積み重ねるしかありません。日々の積み重ねが、シュートが枠に入るか入らないかを決めるのです。だから、継続していくことが必要だと思います」

 プレーする喜びを持ち続ける限り、ゴールへの扉は開いているはずだ。あとはシルビーニョがそこに蹴り込むだけ。攻撃の中心になっていた渡邉新太が負傷で長期離脱となったいま、この背番号8が後半戦で重要な攻撃のピースになってくるはずだ。


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