大宮アルディージャが苦しんでいる。8月は2分けのあと4連敗と元気がない。しかし、止まったらそこで終わり。逆襲の9月に向けて高木琢也監督が貫く信念は、「狼少年になってもいいから続けること」だという。

上写真=高木監督は「足を止めない」ことを求めて、次の試合を見据える(写真◎Getty Images)

「やるべきことはシンプルです」

 △1-1アルビレックス新潟、△2-2ジュビロ磐田、●0-1レノファ山口、●1-4ギラヴァンツ北九州、●1-2愛媛FC、●0-1V・ファーレン長崎。

 大宮アルディージャの8月は苦しかった。0勝2分け4敗、得点5失点11。ただ、消化試合数が1試合少ないので残りは28試合あって、2位の北九州に勝ち点14差、というポジションは十分に巻き返しが可能だろう。

 勝てていなければどうしても意気消沈する。メンタルを高めていくために、高木琢也監督は「狼少年になってもいい」と話すのだ。

「選手に言っているのは、やり続けるしかない、ということです。こういう状況になっても、足を止めてしまったり気持ちを止めてしまったりすると、結局同じことになってしまって先に何もなくなります。そういう意味では狼少年になってもいいからやり続けることです。もちろん選手にも細かい話を聞いたりもしますし、選手も僕たち(コーチングスタッフ)が何をしようとも、ゲームに対して100パーセントの力を出せるようにしてほしい」

 足を止めれば、そこでゲームオーバー。数々の経験から、それがよく分かっているのだ。

 止めないことの中には「自分たちを見る」ことも含まれている。

「しっかり自分たちのゲームを見るということも大事です。本当に崩されたシーンは、そこまで多くはないと思っています。ちょっとしたミスが絡んだ失点と僕は解釈していて、もちろんそこは修正していきますが、逆にそこだけに時間を費やしていいのか。選手たちには常にプラスのことをやっていってほしいと思います」

 その点で、長崎戦については守備への手応えがあった。

「長崎戦のディフェンスは良かったと思っていますよ。奪ってからの1本、2本のところでうまくつながっていればというシーンも多かったですし。相手ゾーンのところでミスが多かったのは焦りかもしれないけれど、やるべきことはシンプルです」

 9月最初のゲームは、2日の京都サンガ戦。「選手の能力が高いと思います。攻撃はピーター・ウタカ選手を中心に構築していると感じます」という印象だ。だからこそ、の弱点も見えている。

「ウタカが1トップにいることで、守備の連動性がつかめていないところもあって、一個一個ずれていって間が空くシーンも多いと思います、そこをうまく突いていければ」

 本当に「狼少年」になってしまうつもりなど、さらさらない。京都戦では、攻め込まれたとしても一度奪ってしまえば、ズレを利用して攻撃を有利に進められる…逆襲の9月はそんなプランで発進していくのかもしれない。


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