上写真=京都戦の試合後、サポーターに挨拶する山本理仁(写真◎J.LEAGUE)
■2020年8月29日 J2リーグ第15節(観衆2,432人/@味スタ)
東京V 2-0 京都
得点:(東)小池純輝、山本理仁
優安や譲瑠よりも先に決めたかった
45+3分、藤田譲瑠チマから相手の左ウイングバック、荒木大吾の背後へレーンをまたぐパスが出た。大外から斜めに走り込んで裏で受けたのは小池純輝。小池がボックス内へと進入する。すかさずフォローに走ったのが、山本理仁だった。
ボックス右に少し入った場所で構えて、パスを受ける。この瞬間、相手最終ラインは小池の進入に合わせて下がっており、山本には十分なスペースがあった。
「とにかく、ファーストタッチが決まったので、あとは流し込むだけというか。落ち着いて蹴れました。蹴った瞬間に入ったと思いました」
狙いすまして左足を振り、相手GK若原智哉の届かないサイドネットへボールを蹴り込んだ。
「(フラッシュインタビューで焦っていたと話していたが?)1年目のやつら(同学年)に初ゴールを先越されたくなかったので。(松橋)優安だったり、ジョエル(藤田譲瑠チマ)だったり。まあ全員ですね。彼らよも先にゴールを決めたかったので。先に決められて良かった」
この試合が今季の先発4試合目。遅かれ早かれ、ゴールは決めていただろう。とはいえ、本人には焦りもあったという。それほど今のチームは若手の台頭が目立つ。激戦区の中盤の担い手である山本が、チャンスを得た際に結果を出したいと思うのは当然だった。
ただし、この得点一つで何かが大きく変わると、本人は思っていない。これからも競争は続き、チャンスをつかみ取る作業を繰り返していく。だから自分にも、そしてチームにも厳しい。
「前半はボールもある程度、保持できていましたし、2点を取れて良い流れで終われました。後半は少し余裕もあったせいか、少し立ち位置がズレてきてボールの循環が悪くなった。その点が、まだまだ課題。勝っている中でも焦らずボールを動かし続けて、相手を圧倒して勝つというのが僕らだと思うので、内容に関しては納得いっていません」
納得できるプレーも、納得できるゲーム内容も、そう簡単には手にできない。目指す場所はまだまだ先になるからだ。初ゴールが通過点であるのは言わずもがな。山本の戦いは、これからも続いていく。