9試合を終えて勝ち点15、5位といい位置につけているのが京都サンガだ。連戦に入り、フレッシュな戦力がカギを握る季節となったが、京都には中野克哉がいる。ここ2試合で連続でスタメンを勝ち取った23歳の現在地。

上写真=中野の自慢の左足がゴールを生み出す日も近い(写真◎KYOTO.P.S.)

いいところと悪いところ

 2年目のレフティーが夏に浮上しようとしている。7月29日のJ2第8節ファジアーノ岡山戦と8月2日の9節FC町田ゼルビア戦で連続スタメン。攻撃の貴重なカードとしてチームに貢献することを誓う。

 今季は開幕戦で80分にピッチに送り出されてから、再開後はしばらくベンチ入りも叶わなかったが、岡山戦でいきなり先発メンバーに抜擢されている。「再開してからベンチ外が続いていましたけど、連戦もあってケガ人も出ますし、練習から100パーセントでやることで、試合に出るチャンスをつかめると思ってきました。これからもしっかりやっていきます」とまだまだチャレンジャーの立場であることを認識する。

 3人の中盤の一角、いわゆるインサイドハーフでプレーするが、この2試合を終えた自己評価は「いいところと悪いところがはっきりと出たかな。前向きのプレーが少なかった」だった。ということは、前を向けばいいプレーが出せるということだ。

 実際、岡山戦ではあと一歩のところまでゴールに迫っている。48分に右からの石櫃洋祐のクロスを金久保順が優しく落としたボールを、美しいフォームから左足で叩いた。まっすぐゴールに向かっていった軌道まで美しかったこのシュートはしかし、GKに弾かれてしまう。だが、ここで終わりではなかった。こぼれ球を拾った中川風希がシュート、これもGKが触りバーに当たって跳ね返り、DFが触ったボールが今度は右足の前にこぼれてきた。利き足とは逆だったが迷いなく振り抜いてシュート…したのだが、三たびGKに防がれてしまった。思わず天を仰いだ。

 だからこそ、「早くゴールがほしい!」と主張する。

「もっとリラックスして試合に入ることができたら、攻撃の厚みを自分のところでもたらせたので反省です」

「本当に早く1点ほしいです。チームの勝利を目指す中で自分のゴールがついてきたらいいなと思います。我を出しすぎないようにバランス取れれば」

「最後のシュート、ラストパスの質は練習からこだわっています。あとは試合で結果を残すだけなので、早く初得点を取れればいいと思います」

 そう言って自らも祈るように笑うのだ。

「守備のことを頭に入れすぎているということはないですけど、サイドでプレーするときよりは考えなければいけないし、中のポジションをやっている宿命です。でも、守備があるから(攻撃できない)という言い訳はできないです。守備をしっかりしつつ、攻撃で違いを出すことが求められていることですから」

 違いを生み出す。そのためにはやはり、自ら切望するゴールしかないでしょう!


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