Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日から、J2とJ3は6月27日からリーグが再開(開幕)する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB-FOR RESTART WITH LOVE-」をテーマに話を聞いた。ヴァンフォーレ甲府を率いる指揮官、伊藤彰監督はウィズコロナ時代のJクラブの役割を果たすとともに、様々な変化をチームが変わる好機と見ている。

「J1でもイニチアチブをとって戦うために」

画像: 開幕戦は攻めきれず町田とドロー。再開後は得点にこだわっていきたいと指揮官は語った(写真◎J.LEAGUE)

開幕戦は攻めきれず町田とドロー。再開後は得点にこだわっていきたいと指揮官は語った(写真◎J.LEAGUE)

ーー通常のサイクルであれば、対戦相手を分析し、練習に落とし込んで試合に臨めますが、連戦が続くと、試合を終えてリカバリーして、すぐに次の試合がやってくる。相手の対策にあてる時間がなかなか取れないのではないですか。

伊藤 その通りですね。ただ常々、我々が見失ってはいけないのは自分たち自身だと思っています。今季は例えば対策を立てても、場合によっては相手がフルメンバーを変更してくることもあり得ます。2年前のルヴァンカップでそういう経験をしていますが、対策を立てづらい。そうなるとやはり、コンディションを整えることと、自分たちのクオリティを上げていく作業の方が、準備としてパーセンテージが高くなります。
 ボールをしっかり保持しながら、相手を押し込んで戦うのが自分のやりたいサッカーです。ただ、開幕戦(町田とスコアレスドロー)を経て、より得点を取るということにこだわり、しっかりとチームに落とし込んでいかないといけないと思っています。それはこの中断期間でも考えて取り組んできたことです。今季はルールやレギュレーションの変更によって、ある意味でチャレンジできるとも思うので、色々とトライしていきます。

ーー具体的にはどんなチャレンジでしょうか。

伊藤 たとえば試合中のシステム変更。簡単ではありませんし、柔軟性を獲得するのには当然、時間がかかります。戦術面では、早くゴール前にボールを入れる形も磨きたいと思っています。

ーー戦い方の幅をつくるということですね。

伊藤 再開は暑い時期になりますし、連戦もある。その中でしっかり勝ち点を積んでいくには先制点が大事だと思っています。昨年は先制点を取ったあとにゲームコントロールすることに重きを置いてやってきましたが、それだけではなく、色々な形で戦えるようにならないといけないと思っています。このクラブは近年、堅守速攻で戦ってきた歴史がありますが、今はそれだけではJ1に上がったときに、しがみつくだけになってしまう。J1のチームにもイニシアチブをとりながら戦っていく、そういうチームにイノベートする。今年は、その第一歩にしたい。


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