上写真=クラブ悲願のJ1昇格へ、椎名は強い思いでシーズン再開へ臨む(写真◎ファジアーノ岡山)
「とにかくファン・サポーターがすごい」
――2009年にファジアーノ岡山に加入した経緯を教えてください。
椎名 自分は大学(流通経済大)で、すごく活躍していた選手ではなかったので、プロからの誘いはありませんでした。でもファジアーノに練習参加した結果、加入できることになったんです。プロへの道を切り開いてくれたクラブですね。
――それ以来、岡山一筋で今季が12年目です。岡山県は第二の故郷というより、本当の故郷と言ってもいいのではないですか?
椎名 そうですね。もう12年間も岡山にいますし、子どもの頃よりも、大人になってからの方が記憶していることが多いので、岡山がメインのようになっています。
――ファジアーノ岡山のクラブの特色は、どんなことだと思いますか?
椎名 自分が加入したのはJFLからJ2に昇格した1年目で、そのときから感じているのは、とにかくファン・サポーターがすごいです。応援が熱くて、スタジアムに見に来てくださる方も多い。練習場などで話しかけてくれる方もいて、温かみを感じます。
――ファジアーノの存在は岡山県で年々、大きくなっていると感じますか。
椎名 自分が岡山に来たときよりも、街全体にファジアーノが広がっているのは確かだと思います。お店の看板などで「ファジアーノ岡山を応援しよう」という文字を見る機会が増えましたし、シーズン始動前のキックオフセレモニーは、岡山市中心部のショッピングモールで開催しています。ファジアーノのことを知らない人が少なくなって、岡山に浸透してきていると感じますね。
――試合中は、ファン・サポーターの存在を、より強く感じるのではないですか。
椎名 初めて試合に出たとき、すごく応援に後押しされたことを覚えています(2014年のJ2リーグ第19節、横浜FC戦)。0-0の引き分けで、GKとしてはチームに貢献できた試合でした。試合後にファン・サポーターが集まる『ゲート10』に全員であいさつに行ったとき、僕のチャントを歌ってくれたんです。プロ入りから6年もかかって、やっと1試合出ただけの僕を応援してくれる。本当に感動しました。