J2のヴァンフォーレ甲府は20日、J3の藤枝MYFCと練習試合を行なった。リーグ再開を1週間後に控え、貴重なテスト機会となったが、新戦力の松田力とハーフナー・マイクが得点。ともに流れの中からのゴールであり、得点力アップを目指すチームの光明となった。

上写真=先制点を挙げた松田力(写真◎ヴァンフォーレ甲府)

練習試合:ヴァンフォーレ甲府対藤枝MYFC
 ・45分×3本(1-1、0-1、1-0)
 合計スコア:甲府 2-2 藤枝
 得点者:【甲】松田力(1本目)、ハーフナー・マイク(3本目)
     【藤】森島康仁(1本目)、岩渕良太(2本目)

左で崩して右から仕留める

 左の泉澤仁、そして右の松田力。今季からチームに加わった左右の翼が、ヴァンフォーレ2020の大きな武器になりそうだ。左の泉澤は緩急自在のドリブルワークで局面を打開し、右の松田力は強気の仕掛けとタイミングの良い動き出しでゴールに絡んでいく。

 先制点は、その松田が記録した。左サイドバックの内田健太のクロスに合わせてゴール前に飛び込み、右足を合わせてネットを揺らした。

「(内田)健太くんからのクロスは常に狙っていたので、その形がうまくいって先制点を取れたのがデカイかなと」

 泉澤、そして内田という左のタンデム(縦関係)で相手を崩し、右から松田がゴール前に飛び込んで仕留める形は、今季の攻撃パターンの一つになるかもしれない。

 松田の積極性は、アグレッシブな戦いを志向する伊藤彰監督の考えに合致する。今季開幕戦で町田と対戦し、無得点に終わったあとで、指揮官はチームの重心が後ろに傾いたことと無得点に終わったことを課題に挙げた。

 チームにダイナミズムを生む走りと、ゴールへの果敢な飛び込みが持ち味の松田の存在は、課題克服の一つの回答になり得る。その上、松田が加わったことの影響もあってか、右サイドでポジションを争う太田修介が好調だ。3本目にハーフナー・マイクの得点をアシストした。右のワイドに構えてCBの山本英臣のパスを呼び込み、敵陣深く進入して低く速いクロスを供給。松田とは違った形で存在感を示している。チーム内に、いい意味の競争が生まれている印象だ。

 昨季、甲府はJ1参入プレーオフ1回戦で徳島に屈し、涙をのむことになったが、今季J1復帰というミッションを果たすには、得点力の向上と選手層の拡充が不可欠。松田力は、その両方を担い得る。


This article is a sponsored article by
''.