上写真=さいたまシティカップに出場したMFイッペイ・シノヅカ(写真◎Getty Images)
■2020年2月9日 さいたまシティカップ(NACK5スタジアム大宮)
大宮アルディージャ 0-1 クラブ・ナシオナル
得点者:(ク)ティアゴ・ベシノ
右サイドで存在感
この日の試合では、3-4-2-1のフォーメーションを敷く大宮で、1トップ2シャドーを含む4人が新戦力だった。ここまで行なった練習試合からメンバーの変更もあり、この日のメンバーがベストではないことを高木琢也監督も明言しているが、右ウイングバックとして先発し、最後までピッチに立ち続けたイッペイ・シノヅカは今季も欠かせない存在だろう。
昨年7月に横浜F・マリノスから完全移籍で加入すると、すぐさまポジションを確保し、20試合に出場して4得点。昨季後半の大宮を支えた一人だ。
ウルグアイの名門相手に、最終ラインの一角となる時間帯もあった。だが、持ち味はやはり攻撃面。後半途中からフォーメーションが4-4-2になると、右サイドの裏へのボールを呼び込む場面も増えてきた。終盤に入ってからのフォーメーション変更に、「もっとフレッシュな状況で4-4-2の前目のポジションでできたら、もっと良かったのかなと思います」と話したが、その後悔もまた、伸びしろの証明とも言えるだろう。
さらには、2トップの一角に交代出場で入ったルーキー髙田颯也とポジションを入れ替えながら、ユースから昇格したばかりの18歳に得意のドリブル突破を促す場面も演出していた。「颯也は推進力があって、ドリブルもうまい。あいつのことは、もっと生かしてあげたい」と、周囲を引き上げていく余裕も漂わせていた。
昨年はJ1参入プレーオフに進みながら、1回戦で涙をのんだ。「もちろん昇格したいし、それはみんな一緒だと思う。僕も試合に出続けるために、結果で示していかないといけない。チーム全体が良い雰囲気になるように、僕もプレーからできればいいかなと思います」。チームを引っ張る気概をのぞかせて、そう語った。
取材◎杉山 孝