上写真=1985年の全国中学校大会で優勝した明野中の主力だった永井秀樹(右)。決勝でも2得点を挙げて4-2の勝利に貢献した(写真◎BBM)
中学時代に日本一に
1960年6月8日生まれの59歳、大分県出身の吉武氏は、地元の大分市立明野(あけの)中学で指導を始め、2004年にU-15日本代表監督に就任。そこからU-16、U-18など年代別代表の監督を歴任し、11年にはU-17ワールドカップ(W杯)に臨むU-17日本代表の指揮を執った。同年から次のU-17W杯を目指すU-15日本代表監督を兼任し、13年のU-17W杯にも出場している。
15年にFC今治でメソッド事業部長を務めた後、16年に当時四国リーグだったトップチームの監督に就任。JFL、J3への昇格を目指したが、J3を目指していた18年6月に成績不振を受けて退任し、19年はJFAアカデミー福島でコーチを務めていた。
今回の指導体制が興味深いのは、昨季途中から東京Vの指揮を執る永井秀樹監督が、吉武氏の教え子だということ。吉武氏が明野中の監督として指導を始めた85年に、3年生だったのが永井監督で、同年の全国中学校大会では初優勝して日本一に輝いている。それから30年以上の時を経て、師弟が再びタッグを組むことになった。
教え子が現役時代にプレーしたチームにコーチとして戻り、監督と師弟タッグで指導するというケースはよくあるが、教え子が監督で恩師がコーチ、というのは珍しい。年代別代表の監督を率いていた当時、徹底したポゼッション志向のスタイルで戦っていた吉武氏が、教え子とともに東京Vを復活のJ1昇格に導けるのか注目される。