10月25日の明治安田J1リーグ第12節で、FC東京は水戸ホーリーホックに6-0で圧勝した。その最初の2ゴールは、仲川輝人によるもの。リーグ戦では今季初スタメンで、きれいなヘディングシュートと右足の鋭いキックでチームを一つにまとめ上げた。

上写真=仲川輝人が鮮やかな2ゴール。「やっぱりシュートを打つことは大事」(写真◎J.LEAGUE)

■2026年10月25日 J1第12節(観衆23,602人/@味スタ)
FC東京 6-0 水戸
得点:(F)仲川輝人2、安斎颯馬、ダニ・ゴメス、アレクサンダー・ショルツ、マルセロ・ヒアン

「キスっぽっくなっちゃってました」

「最高です!」

 仲川輝人は試合直後のフラッシュインタビューで、スタンドを彩るファン・サポーターにまずそう呼びかけた。

 およそ1年3カ月ぶりのリーグ戦でのゴール、しかも1試合2得点は2022年以来。決めたあと迷わずゴール裏に走っていった。

「ホームでやっと取れて、いままで申し訳ないなっていう気持ちを込めて行きました」

 32分の先制ゴールは鮮やかだった。稲村隼翔が自陣左からサイドチェンジのパスを右へ、受けた石原広教が中を見ながらクロスを送ると、フリーになっていた仲川がジャンプして頭にしっかり当ててゴール左へ送り込んだ。シュートとパスのすべてが完璧。これで9シーズン連続ゴールとなった。

「石原くんのクロスが合わせるだけっていうボールだったので、うまく合わせられたと思います」

 石原と祝福のハグの流れで「キスっぽっくなっちゃってました」と笑わせたが、これまでのキャリアでも「あんなにドンピシャなのはないね。垂直跳びみたいな」と自分でも驚くほどのジャンプ。「キャンプからフィジカル面も強化しているので、その甲斐はあったとあったと思います」と34歳でも成長は止まらない。

 次のゴールは後半開始早々の2点目。これで試合の流れを決めた。右からアレクサンダー・ショルツが運んで中へ、長倉幹樹と相手DFの足元をかすめたボールが届いて、右足を振った。ダイレクトシュートは矢のようにゴール右下に突き刺さる。

「たまたま自分の前に流れてきたというかこぼれてきて、後半の最初だし、シュートで終わって勢いつけたかったので、打ったらいいコースに行ったかなと。思いきりの良さがいい結果につながったし、やっぱりシュートを打つことは大事だなと改めて思いました」

 前節の柏レイソル戦は0-0のスコアレスドロー。でも、チャンスは多かった。仲川自身も打ちきれなかったことで後悔が残っていたという。

「この前のレイソル戦もトラップして、PKかなというシーンもあったんですけど、ダイレクトで打とうかトラップするのかで、僕はトラップするほうを選択しちゃった。でも、ああいうときにダイレクトで打てばゴールが決まるのは、海外の選手のゴール集も見ててそうだったので、思いっきり打ちました」

 リーグ戦の先発は今季初めてだった。

「僕自身は結果を残そうとしか考えてなかったっていうのは、正直なところありますけど、チームのために何ができるかを考えながら、今日は試合に臨みました」

 思いは特別だった。そんな一戦で決めた2つのゴールは、1点目が肉体強化の結実で、2点目は前節の反省をすかさず回収と、ともに大きな意味のあるゴールだった。

「ゴールが久しぶりすぎて、この感覚は最高だなというのと、もっともっと取っていかなければいけないなと思いました」

 どちらのゴールも、決めたあとに本人以上に仲間たちが、そしてファン・サポーターが喜んだのが印象的。愛されるベテランのゴールには、チームを一つにまとめる不思議な力がある。

「チャンスはあったのになかなか決めきれない時期が続いたので、今日、結果で自分の存在を証明できたことは皆さんにとってよかったんじゃないかな。僕自身も思います」

 仲川輝人ここにあり、を力強く刻んだ2ゴール。

「大量得点で勝てたことはそうですけどクリーンシートで終えているので、どちらも継続して優勝争いしていきたいと思います」

 先は長いが、この人が決めれば決めるほど、チームの結束は高まっていくだろう。


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