上写真=立田悠悟は守備の要として失点を1で食い止めた貢献も大きい(写真◎J.LEAGUE)
■2026年9月13日 明治安田J1第7節(観衆30,767人@埼玉)
浦和 1-2 岡山
得点:(浦)南野遥海
(岡)大森 博、立田悠悟
「自分も負けじにというか」
立田悠悟はその瞬間、どうしていいか分からなかった。
スコアは1-1。アディショナルタイムも11分になる頃のことだ。
「ブラウン選手がフリーだったので、かつ体も強いので、左に行けそうだなと」
左に開いたブラウンノア賢信にボールを預けてすぐに走った。最終盤でも足を動かして一気に外を回ったのは「勢いというか、そういう感じで」だった。
こういうときに出力できるパワーはやはり大事だ。それに合わせるようにリターンパスが出てくる。そして、角度のないところから左足でセンタリング。
「左に行って、ファーへのクロスを狙ったんですけど……結果的にミスですけど、入って良かったです」
狙いとは異なりボールはゴールに向かって飛んでいき、GK福井光輝の逆を取る形になった。触られはしたが、そのままラインを割った。
思いがけなく「ミス」で生まれた決勝ゴール。さて、ここでどうしたらいいのかと分からなくなった。最初は止められたと思ったからだ。
「入ったかどうか分からなかったので、普通に戻ろうとしてたんですけど、ベンチ側が喜んでいて、なんかどうしていいか分からなくて」
素直に打ち明けて、思わず照れ笑いを浮かべた。
前節の「中国ダービー」はアタッカーの河野孝汰のハットトリックでサンフレッチェ広島を下し、今回は先制ゴールの大野博と立田で、DF2人が決めて勝利を収めている。全員で守って全員でゴールを目指す一体感のあるスタイルを地で行くような展開だった。
「百年構想リーグでは守備の選手もコーナーからゴールを決めることが多かったんですけど、今年まだなかったので、そういった意味ではセットプレーから(大森が)点を取れたのは大きいことだと思います。鈴木(喜丈)選手も取っていて、大森選手も今日取ったので、自分も負けじにというか」
その姿に、木山隆之監督も目を細める。
「彼も本当にチームのど真ん中で核になって守備をこなしながら、しっかりオーガナイズしてチームを勝たせる仕事をずっとやっています。セットプレーも含めてなかなか得点は生まれていなくて、今日もシュートなのかクロスなのかちょっと分からないけれど、最後にあそこまで上がっていったのも彼の気持ちが表れたのかなと思います」
ハードな守備の中心で輝く男が、泥臭くてミスからであってもチームを勝利に導いたのは確かだ。その上で、DFらしい言葉で振り返るのは、木山監督の言う「気持ち」から出るのだろう。
「簡単に失点しすぎていると感じます。そこは満足がいく部分ではないですけど、勝ちながらまた修正していければいい」
