V・ファーレン長崎の開幕戦勝利に貢献したのが、ナンバー9を背負うチアゴ・サンタナだ。2ゴールをスコアしただけではなく、守備でも、ビルドアップの局面でも重要な働きを見せた。

上写真=得点だけではなく、あらゆる局面でチームに貢献したチアゴ・サンタナ(写真◎J.LEAGUE)

■2026年8月9日 J1第1節(観衆20,489人/@ピースタ)
長崎 2−1 京都
得点:(長)チアゴ・サンタナ2
   (京)ラファエル・エリアス

収まりとバトルで安定性(高木監督)

 前線で破格の存在感を示した。1トップを務めたチアゴ・サンタナは11分、自ら守備のスイッチを入れ、そのままボール奪取に成功すると、チームが欲しかった先制点を奪った。

 敵陣の左サイドから中央へとボールを動かされても、粘り強くプレスを続け、パスの受け手となったDFウェベルトンのミスを誘ってボールを奪い切った。

 そのあとのプレーも冷静だ。相手GK太田岳志の届かない場所へ、きっちりシュートを決めてみせた。

 さらに29分、今度は鋭い動き出しで2点目を蹴り込む。左サイドの岩崎悠人から送られたクロスに対してボックス内で京都の守備陣より早く到達点にポジションを取り、左足を一閃。当初、岩崎に対してファーサイドへボールを送るように要求したが、クロスの軌道を確認すると瞬時に動き直し、スライディングでシュートコースを塞ぎに来たエンリケ・トレヴィザンとウェベルトンの間を縫うようにシュートを放った。

 躍動したチアゴ・サンタナについて、高木琢也監督は「2得点しましたけど、ボールの収まりというところと、相手とのバトルの中で体の強さを示してくれた。その安定性も含めてポイントになった」と、ポストワークも称賛。守備のスイッチ役として機能し、前線でボールの預けどころとなり、その上、ネットも揺らす。まさに勝利の立役者となったが、本人はあくまで謙虚に試合を振り返った。

「全員がハードワークして、本当に今日の試合はその姿勢が表れていた。もちろん周囲の選手たちがいないと、1人ではできないもの。ですから、みんなに感謝します。全員で戦い、全員で勝ち取った」

 仲間への言葉を繰り返したのは、つらい日々を支えてくれた感謝もあるからだった。先月に父親を亡くし、難しい時間を過ごす中で、クラブとチームメイトから温かいサポートを受けたという。プレーで自身の思いをしっかり表現すると、「きょうのゴールは天国の父に捧げたい」と語り、特別な思いを胸に戦い抜いた一戦を結んだ。

「ながさき平和の日」というクラブや街にとって極めて特別な一日に、背番号9がピッチ上で放った圧倒的な輝きは、亡き父への最高の手向けであり、支えてくれた仲間への何よりの恩返しとなった。


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