上写真=開幕に向けて鬼木監督は「夏場だけど気持ちのあふれるプレーで、見ている人に何か伝わるものがあれば」と語った
吉田湊海は「大事な選手の一人」
J1リーグ連覇を狙う鹿島は、2026/27シーズンに向けて今月7日から始動し、9日から18日まで福島県のJヴィレッジでキャンプを行なった。Jリーグのシーズン移行により、初めて夏場に開幕を迎えるが、鬼木監督は「コンディションは上がってきている。夏開催ということもあって、体の動きは悪くない」と選手たちの状態について語った。
チーム始動後にMF荒木遼太郎、DF濃野公人が海外クラブへの移籍でチームを離脱したが、その後、カタールSC(カタール)からMFヤン・マテウス、ヴィッセル神戸からDF広瀬陸斗を獲得。オフに清水エスパルスから加入したMFマテウス・ブエノも含めた新戦力について、鬼木監督は「コンビネーションという意味では、もう少し時間をかけないといけない」と話しつつも、「サッカー観はお互いに合っている感触はある」とチームへの融合に手応えを示した。
主力の移籍には補強で対応したものの、誤算だったのはDF安西幸輝とMF樋口雄太の離脱だろう。2人はキャンプ最終日に行なわれた非公開の練習試合で負傷し、安西は左膝前十字靭帯損傷、樋口は右腓骨骨折とそれぞれ診断された。ともに長期離脱が避けられない状況となっている。
「幸輝に関しては、1年半前に(同じ箇所の負傷を)やって、(復帰して)半年くらいでまたなので。僕も監督として長くやらせてもらっていますが、この短期間で同じところを、同じようなシーンでケガするというのは経験がない。自分の想像以上の難しさがある中で、クラブとしても、選手、スタッフ全員がやれることをやりたいと思っています。サッカー選手としてだけではなく、人として復活していく姿を、簡単なことではないと思いますが、そういう姿を見せていってほしい」
前十字靭帯損傷という大ケガを再発した安西について、鬼木監督は神妙な面持ちで言葉を選びながら話した。また樋口に関しては、「雄太らしいプレーの中で、球際の部分でのケガでした。今までやってきたものを出したので、結果的にこういう形になりましたが、本人も『それを行かなかったら自分ではないので』と割り切っていました。今朝も話しましたが、すごく前向きに進んでいってくれている」と明かした。
開幕直前に暗いニュースが続いた一方、明るい材料もある。キャンプから好調を維持する高校3年生のFW吉田湊海は、この日もゲーム形式の練習で主力組に入った。北中米ワールドカップで日本代表のトレーニングパートナーを務めた18歳の逸材に対し、指揮官も「大事な選手の一人と思っている」と期待を隠さない。もしも開幕スタメンを勝ち取れば、内田篤人氏(現日本女子代表コーチ)の記録を抜いてクラブ史上最年少の快挙となる。
8月7日にMUFGスタジアム(国立競技場)で行われる横浜F・マリノスとの開幕戦は、24年ぶりとなるゴールデンタイムの地上波全国生中継が決定している。注目の一戦に向けて、鬼木監督は次のように意気込みを語った。
「もちろん、我々は鹿島アントラーズを代表して戦いますが、Jリーグを盛り上げるというのはずっと自分の中で思っていることなので、見ている人に喜んでもらえるようなゲームをしたい。ワールドカップ後のゲームなので見る方の目も肥えているでしょうし、そういうものに負けないエネルギーを持って戦うべきだと思っています。もちろん勝敗へのこだわりもありますし、プラスしてエンターテイメント性というか、夏場だけど気持ちのあふれるプレーで、見ている人に何か伝わるものがあればと思っています」
ACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)に出場する2026/27シーズンは過密日程との戦いにもなるが、すべての大会でタイトルを狙う。「何よりもタフさ。最後にはそういうものが大事になる」と鬼木監督は言葉に力を込める。「その力をつけるには日頃からやっていくしかない。そこは地道に、変わらずやっていきたいと思います」。再び頂点に立つため、変わらぬ姿勢で新シーズンの開幕に備える。

J1連覇に向けて、鹿島は着々と準備を進めている
