上写真=マルシーニョの祝福を受けて、エリソンもニコニコ!(写真◎J.LEAGUE)
■2026年4月18日 J1百年構想リーグ第11節(観衆:26,084人@日産ス)
横浜FM 1-2 川崎F
得点:(横)天野 純
(川)ラザル・ロマニッチ、エリソン
「確率的に渡したほうがいい」
エリソンが90+8分に豪快に蹴り込んだフィニッシュで、川崎フロンターレが横浜F・マリノスを突き放したど派手なエンディング。カウンターから長璃喜のパスが引っかかりながらも、橘田健人が拾って左に展開し、エリソンが決めきる、という展開を生み出した3選手には、それぞれの思いがあった。
相手の攻撃を食い止めて前線にボールが出てきたところに、長がいた。前節デビューしたばかりの高卒ルーキーは得意のドリブルでカウンターを発動した。そして、左のエリソンに届けようとしたが、相手に引っかかってしまう。
「あんまり覚えてないです。(気持ちは)なんかぐっちゃぐちゃでした。パスミスしてヤバいと思って戻ろうとしたら、(橘田)健人くんがいてくれて、エリソンが決めてくれて……でも、状況がつかめなかったです」
ミスによる自責の念は、あっという間に歓喜に変わった。
長のパスが引っかかったこぼれ球を拾ったのは、橘田だ。カウンターの瞬間に長い距離を走ることを厭わなかったから、そこにいることができた。
「ラストチャンスだと思ったので、ゴール前に入っていこうと思って」
最初はゴール前で勝負するつもりで走り出したという。
「人数かけられればチャンスになると思ったから、とりあえず入っていこうと思いました」
そこにボールが「たまたまこぼれてきた」。「チャンスがあればもうちょっと運ぼうかな」と自分で勝負を仕掛ける選択肢を消さないまま、それでも今度は引っかからないようにていねいに左に振った。
「エリソンがいいところに立っていたので、確率的に渡したほうがいいかなと」
その判断は正しかった。エリソンはトラップこそ少し左に流れて角度に制限が加わったが、そんなことはお構いなし。自慢の左足を振り切って、パワーでゴール右へとねじ込んでみせた。
「トラップした瞬間にはほかになにかしようという考えは一切なく、思い切ってシュートを打ちました」
エリソンには迷いなど微塵もなかった。GKの位置も見ていなかったという。練習通りに打ったのだ、と。
「ボールの真ん中をしっかりと狙って蹴ろうということだけを考えていました」
1-1のままずっと攻めあぐねていて、アディショナルタイムに入ったからPK戦もちらつく時間帯だ。しかし、3人はいずれも一瞬のチャンスを決め切ろうとゴールに一直線に向かっていった。
これが、いままで川崎Fに欠けていたものだったのかもしれない。
「ハイタッチしたときの様子で、ナイスボールって思ってくれてた感じは伝わってきました」
エリソンから橘田へ感謝の言葉などなくても、その思いは伝わった。
