上写真=早川友基のビッグセーブで前半を乗り切って、難しい試合を勝ちきった(写真◎J.LEAGUE)
■2026年4月12日 J1百年構想リーグ第10節(観衆:23,094人@U等々力)
川崎F 0-2 鹿島
得点:(鹿)鈴木優磨、レオ・セアラ
「ギリギリだったけれど足を閉めました」
双方に持ち味をぶつけ合った白熱の前半は、0-0。鹿島アントラーズの鬼木達監督は、勝負の「潮目」をこう見ていた。
「特に前半、(失点)ゼロで帰ってきたことが勝負を決めたと言っても過言ではないぐらい。後半には自信があったので、そういう意味でしっかりと(力を)出してくれたかなと思っています」
立役者は、守護神の早川友基である。またもやスーパーセーブで「失点ゼロ」を実現してみせた。
22分、川崎フロンターレのカウンターを浴びた。山本悠樹がドリブルで中央を進んでくる。鹿島から見て少し右に進路を取ると、左ががら空きになった。そこに俊足のマルシーニョが出てきてパスを受け、早川と1対1になった。
「持ち運ばれて、最初は縦にエリソン選手が走ってきて、その外側に出されたので、まずダイレクトでシュートを打ってくるのは準備していたんですけど、前にトラップしてきたので自分もちょっと詰めていきました。ただ、難しい距離感だったので体を広げながらいった分、股が開いているのは自分でも分かっていて、股を狙ってきたのは自分でもちゃんと見えていたので、ギリギリだったけれど足を閉めました」
その一瞬の動きをすべて見切っていた。シュートをしっかりと体に当ててゴールを死守し、その存在の大きさをまたも証明した。
ほかのピンチにもしっかり耐えると、後半に入って間もなく、53分に鈴木優磨がPKを決め、64分にはレオ・セアラが押し込んで、11分で一気にたたみかけた。さすが、王者の貫録である。
「悪くはなかったし、そんなにネガティブな戦いではなかったと思うんですけど、川崎の外し方が勝っていたのは感じていました。自分たちの失い方が悪いシーンもあったし。でも、去年からもそうだけど、前半はまず無失点で、流れが悪いときこそ耐えて、後半勝負にいくのは、うまくいってないときこそ別にそれでもいいんじゃないか、という戦い方に途中からシフトチェンジできたので、それはよかった」
早川は試合運びの妙味をそう明かす。別にいいんじゃないか、と悟る自然体である。
うまくいかないときに崩れるか持ちこたえるかは、強者と弱者を分かつ分水嶺になるが、鹿島は柔軟に、割り切って試合を進めて、最後には自分たちのものにしてしまう。鹿島がまた一つ、強くなった。
