上写真=尾谷ディヴァインチネドゥの際どいシュートの瞬間。スタンドを沸かせた(写真◎J.LEAGUE)
■2026年4月5日 J1百年構想リーグ第9節(観衆:28,760人@味スタ)
FC東京 0-0(PK2-4)町田
「J1という舞台でも通用する」
0-0のままスコアの動かないゲームで89分、スタンドを沸かせたシーンがあった。
右から191センチの長身FWがボールを持ち運び、左足でボールを相手の股下に通して抜き去ると、そのまま突き進んでペナルティーエリアの外から左足でシュート。しかし、わずかに左に切れていく。
FC東京の18歳のルーキーストライカー、尾谷ディヴァインチネドゥの見せ場だった。
最初からシュートを打ち切るつもりだったという。
「(佐藤)龍之介とかテルくん(仲川輝人)が走ってくれて、コースも見えていたんです。そこに決めきれる力がほしい」
仲川は右斜めに出ていってスペースを作ってくれたし、佐藤龍も近づいてサポートに入ってくれた。それも落ち着いて見えていた上で、相手の寄せが遅れたから自分の左足を信じた。ストライカーとしての野性味が表れた一瞬だった。
「自分の特徴の推進力だったり、右利きですけど左足でも蹴ることができるという武器はこのJ1という舞台でも通用すると思いました。でも、途中出場でああいう少ないチャンスに決めきれる選手にならないと、自分が目指しているところにはいけないということも改めて思いました」
ルーキーイヤーでいきなり3節の川崎フロンターレ戦でチャンスをもらい、4日前の町田戦に続けてこれが3度目の出場。63分と早いタイミングで出番が回ってきた。
「プロになって3カ月、ユースのときとは相手のセンターバックのレベルも違いますし、いま、ユースのときにできたことがトップになってまったくできないという壁にぶつかってるところなんです。それでも自分の武器をどんどん磨いていきたい」
練習でもボールを奪われてばかり、と嘆く。でもそれは、日本でトップクラスのセンターバック陣に鍛えられているという実感につながっている。アレクサンダー・ショルツからは細かい体の向きについても指導してもらっていて、その小さな積み重ねが89分のシュートにもつながっている。
一方で、守備では長身が生きた。ラストプレーで町田のロングスローをヘッドで弾き、そのこぼれからのクロスにも体を投げ出してヘッドで押し戻した。松橋力蔵監督からは「背後と守備」を託されてピッチに出たというが、そのどちらも短い時間でしっかりと表現することができた。
「途中交代だったので周りに声かけることも、身長もあるので弾かないと本当に意味がない。そこは自分の強みですから」
高さと速さを兼ね備えた「プロ3カ月」のストライカー。まだまだ荒削りだが、大きな可能性を感じさせるには十分なインパクトだった。

