上写真=小泉佳穂が重い提言(写真◎J.LEAGUE)
■2026年3月14日 J1百年構想リーグ第6節(観衆:12,538人@三協F柏)
柏 0-1 町田
得点:(町)テテ・イェンギ

「本当に再現性があるんですか」
柏レイソルは一体、どうしてしまったのか……。
FC町田ゼルビアとのホームゲームを目にした人であれば、誰もがそう感じたのではないか。町田の選手からも「やりたいことをやれていないんだろうな、と肌で感じた」という言葉が出てくるほどだ。
あれだけ楽しそうにボールを回していたチームなのに、パスが引っかかり、出し手と受け手の感覚が合わずにパスがずれ、失ってはカウンターを食らう。ついに29分には、小泉佳穂のバックパスが味方に渡らなかったところから一気に攻められ、決勝点を献上。悪循環の極みだった。
6試合を終えてもう5敗目。すべて90分で決着をつけられている。昨年はフルシーズンで5敗。今季はハーフシーズンなのにもう並んでしまった。
「失点のシーンだけではなく、今日は特に中盤のところでいつもはない簡単なミスが多くありました」
リカルド・ロドリゲス監督も認めるしかない。パスを出した先に味方が誰もいない、という現象は一度や二度ではない。ベンチ前で何度も頭を抱えた仕草に、指揮官のいらだちや苦悩が印象的に示されていた。
「ボールタッチの感覚が悪い選手が複数いたのか、いつもならスムーズにできるところがミスが重なることありましたし、失点シーンもそうですけれども、複数回、我々が警戒していた形でカウンターアタックを受けてしまいました」
そんな凡戦を見せてしまっても、リカルド・ロドリゲス監督は「自信を失っているとは思っていない。それが原因とは考えていません」と力を込める。多くの原因があるとしながらも、「去年以上に相手が我々のことをより細かいところまで分析し、対策をしてきているというのは正直感じます」と、相手の綿密な準備を上回ることができないもどかしさも明かす。
そしてついに、「禁断」とも思える原因に言及するのだった。
「いま、私は既存の選手たち全員を信じて疑いません」と前置きしながらも、名古屋グランパスに移籍した小屋松知哉の名前を挙げてこう続けた。
「1対1で仕掛けられるところ、そしてゴール、アシストとこれにつながる活躍を去年してくれた彼の不在があり、左サイドでいろいろな選手をいま試して起用していますけれども、彼の不在を埋められる選手は見つけられずにいます」
開幕から小見洋太がこのポジションで使われ、3節の鹿島アントラーズ戦で三丸拡、今回の町田戦は山之内佑成が先発。さらにここ2試合はケガから復帰した汰木康也が交代で入っている。だが、昨季3ゴール10アシストと大活躍しながら、もういない選手の名前を出し、まだ絶対的な存在が見当たらない、という見解までも会見の場で口にしなければならないほど、追い詰められているのだ、と受け取れてしまう。
その苦しさはもちろん、ピッチの中の選手が一番感じている。小泉は誤解を恐れず指摘する。
「効果的に前進はできていないという気はしています。今シーズンずっとです。質に頼って、結果的に質が高いプレーが続いて突破していることもあるけれど、じゃあそれは本当に再現性があるんですか、と」
ただこれは、今年になって突然、浮上した問題点だというわけではないと釘を刺す。
「それは去年からあったものというか、言い方が難しいけれど、去年もなんだかんだごまかして勝ってきて、例えば去年の終盤も結構怪しかったんです」
つまり、小屋松知哉がいなくなるよりもずっと前に、その兆候があったことになる。「絶対的な主力の抜けた穴」にばかり急下降の理由を求めてしまう危険を、結果的には小泉の言葉が取り除こうとしたようにも映る。
良くないことに、次の試合まで中3日しかない。相手は浦和レッズ。リカルド・ロドリゲス監督や小泉の古巣戦を前に、時間が限られる中でどこまで修正を施すことができるのか。今後の行方を左右するような重要な一戦になりそうだ。
