上写真=J1百年構想リーグではここまで4試合1得点を記録している小松蓮(写真◎J.LEAGUE)
「夢と目標を達成するために」昨夏加入
昨年7月の加入から約8カ月。ヴィッセル神戸のFW小松蓮に待望の『J1初ゴール』が生まれたのは2月27日のJ1百年構想リーグ第4節・アビスパ福岡戦だった。
1点リードで迎えた60分。濱崎健斗とのワンツーでペナルティーエリア内に侵入した佐々木大樹に合わせて、ニアサイドを指差しながら一気に加速した小松は、ゴールに背を向ける形で佐々木からパスを受けると右足のヒールで捩じ込む。リーグ戦では第2節のV・ファーレン長崎戦を皮切りに、3試合続けて先発のピッチを任されていた中で、ずっといきらせていた「決める」という決意をようやく『得点』に結実させた。
「相手が一人少なくなって押し込む展開が増えていた中で、ハーフタイムには『ニアに入っていけ』と言われていました。ゴールシーンも、そのニアサイドにぽっかりスペースが空いていたのと、大樹(佐々木)がいいお膳立てをしてくれたおかげで点を取れた。正直、自分でもまだ映像を見返していないので、どうやって決まったのかよくわかっていないですが、もう、気持ちで押し込みました(笑)。入ってくれと願っていました」
前半は自身も3度のシュートチャンスを決めきれず、0-0で折り返していた中で、仕切り直した後半は自身に『我慢』を求めながら得点機会を窺っていたという。
「ゴール前でいかにボールを呼び込み、一番いいところに顔を出せるかが重要だと思っていました。ああいった展開になると、どうしてもボールを受けにいきたくなるし、そういうシーンもあったんですけど、自分の良さはボックス内で我慢して待って、点を決めるポジショニングを取ること。得点シーンでもそれをしっかり貫けたことで、チャンスを感じ、相手を剥がせて勢いよく入っていけた。ポケットを取りに行けばビッグチャンスに繋がりやすいからこそ、できるだけ深い位置を取りに行くことに注力していたのでその形から点を取れたのもうれしいです。ようやく1つ取れて、ホッとしています」
プロ8年目を迎えていた昨年7月。自身にとって初めてのJ1クラブ、神戸への移籍を決断した。前所属のブラウブリッツ秋田では、22試合で10得点と好調をきたしていた状況下、「このタイミングで(秋田を)出なくちゃいけない」と覚悟を決めた。
「自分の夢や目標を達成するにはこの決断が必要だと思いました。ひた向きに、全力で自分の武器を磨き続けながら、神戸でもより多くのゴールを挙げたいと思っています」
大迫勇也、武藤嘉紀、宮代大聖、佐々木大樹ら、ヴィッセルの『J1リーグ2連覇』を支えてきた錚々たるFW陣との競争を思えば、難しいチャレンジになることは承知の上だったが、ハイレベルな競争に身を置くからこそ見出せる『成長』を求めた。
しかし、そこから半年は苦しんだ。加入直後、7月16日の天皇杯3回戦・ヴァンフォーレ甲府戦ではすぐさま先発出場のチャンスを掴み、7月20日の第24節・ファジアーノ岡山戦でも81分から『J1リーグデビュー』を飾ったものの、チャンスこそ見出せても得点には繋がらない。8月27日の天皇杯準々決勝・相模原SC戦で挙げた移籍後初ゴールもリーグ戦には繋がらず、結果的に昨年のJ1リーグへの出場はわずか4試合、トータルしても52分間にとどまった。
とはいえ、ハイレベルな環境に身を置きながら、練習でも、試合でも愚直に点を取ることを求める中で膨らんでいった手応えも確かにあって、だからこそ今シーズンはそれをできるだけ早く数字で示すことだけを考えてきたという。まして、このシーズン序盤戦に巡ってきた先発出場のチャンスをモノにするには是が非でも『得点』が必要だと思っていた。
「昨年は、正直、初めてのJ1リーグでしたけど、練習の強度の高さには驚かされたし、以前に所属したチームと同じ練習メニューをするにしても『こんなにもキツいのか』と思うことも多かったです。ただ、その環境に身を置いて、自分にもっとやらなくちゃ、もっとやれるだろうと思いながら成長を求められた時間は無駄じゃなかったと思っています。それを証明するためにも、今シーズンはとにかく数字、得点。それを確実に積み上げていけるようにしたいです」
