2月21日の明治安田J1百年構想リーグ第3節、「多摩川クラシコ」でFC東京が川崎フロンターレに2-1で勝利を収めた。スコア以上の完勝だったが、それを引き寄せたのが室屋成。J1で自身6年ぶりのゴールが決勝点となったが、強調したのは守備のこと。

上写真=2020年以来のJ1でのゴール! 室屋成が右足で突き刺して吠えた(写真◎J.LEAGUE)

■2026年2月21日 J1百年構想リーグ第3節(観衆:22,672人@U等々力)
川崎F 1-2 FC東京
得点:(川)山原怜音
   (F)マルセロ・ヒアン、室屋 成

画像: ■2026年2月21日 J1百年構想リーグ第3節(観衆:22,672人@U等々力) 川崎F 1-2 FC東京 得点:(川)山原怜音 (F)マルセロ・ヒアン、室屋 成

伊藤達哉との「再会バトル」も完勝

 川崎フロンターレを突き放す鮮烈なゴールは、キャプテンの右足から生まれた。38分、室屋成が決勝ゴール!

 常盤亨太の縦パスを受けたマルセロ・ヒアンが、この日冴えまくったポストプレーで右に展開すると、佐藤恵允がドリブル。その内側を室屋が走り抜けたが、佐藤もカットインしてきてポジションが重なってしまう。しかし、佐藤がチップキックで相手の虚を突いて室屋に渡すと、右足を力強く振り抜いてニアを打ち抜いた。

「恵允がカットインしてくると思わなくて、ちょっとポジションかぶっちゃって。でもチップでボールを出してくれて。映像を見てくれたら分かるんですけど、僕、まったくゴールを見てなくて、ボールが浮いてたので、思いっきり打っただけです」

 ランのコース取りとスピード、そして豪快なフィニッシュと、その持ち味をまとめてぶつけた会心の一発。ただ、映像を見返すと、ボールを受けた瞬間にゴール方向にしっかりと首を振って目線を向けている。本人も気付かないほど集中して「ゾーン」に入っていたのかもしれない。

 自身のゴールは2020年J1第6節の北海道コンサドーレ札幌戦以来、6年ぶりで通算3点目。ただ、攻撃のことは意識していなかったという。

「川崎はウインガーが特徴的でカウンターのときに前に残っている。だから、恵允を少しサイドに開かせて、自分はちょっと内側でボールを受けるのを意識していたんです。その流れで自分がインナーラップして、得点が取れたので、試合前から話していたことがうまく形になってよかったと思います」

 いい守備からいい攻撃という鉄則を見事に体現してみせたという点は、決勝ゴールという価値に加えて、さらに深い意味を与えてくれる。

 守備の意識は、1点のリードを保ちながら時間が経過し、川崎Fが強引に押し込んできた最終盤にも象徴的に表現している。快足のマルシーニョに走られて1対1になったが、冷静にコントロールを奪ってボールをつついた。これが自陣深くまで転がってもマルシーニョよりも先に追いつき、そこで蹴り出すのではなくアレクサンダー・ショルツに確実につなぐ余裕も見せた。

 ボールを奪ったところで勢いを100パーセントを出し切るのではなく、そのあとにも余力を残すのは豊富な経験のなせるわざだ。

「守備のところでまずやらせないというところです。特に川崎が相手だと、大きいスペースで(両サイドバックの)僕と(長友)佑都くんが守らなきゃいけないシーンがたくさんあるのは試合前から分かっていました。自分は攻撃よりも守備の部分をすごく意識していたので、チームとしても個人としても、失点はしましたけどうまく守れてよかったなと」

 ドイツ時代に何度も対戦した伊藤達哉とのバトルも完勝。「彼がどれほど素晴らしい選手かも分かっている中で、とにかくやられたくない、やらせたらダメだということを意識して守備のことを考えていました」と、とにかく「守備の貢献」に胸を張るのだった。

 キャプテンとしても初めての90分での勝利。そしてそれも、高い守備の意識があってこそだと強調する。

「いまの前線の選手を見たら、(マルセロ・)ヒアンもものすごく守備をしてくれる。ああやってハードワークしてくれて、そういうチームにならないと勝ち点は積み上がっていけない。全員が守備の意識を持って、なおかつゴールを目指すような、今日のような試合を全試合できるようなチームになりたい」

 今季は本来の右サイドバックに戻って、守備にも攻撃にも圧巻のプレーを見せている頼れるキャプテンだが、喜んでばかりではない。

「3点目を取れなかったところ、いい時間帯で失点してしまうところ。修正するべきところはたくさんあります。でも、チームとして少しずつ良くなっている感覚はすごくある。それをもっともっと高いレベルに持っていきたい」


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