厳しい言い方ですけど…漠然と練習をこなしている若い選手も多い

2026年は自らにベクトルを向けると大迫勇也。目に見える結果も求めていく(写真◎Getty Images)
もちろん、大迫の言う『楽しむ』は、和気藹々と仲良くボールを蹴るということでは決してない。
「僕にとってのサッカーを『楽しむ』とは、ヒリヒリするようなプレッシャーの中で結果を求め、それを勝利に繋げること。むしろ、何のプレッシャーもかからない、生ぬるいところでサッカーをしていても何も楽しくない。チームの全員が高い意識でサッカーと向き合って、結果から逆算して準備をし、ヒリヒリした試合を戦う。その中でこそ求められる楽しさを、今シーズンもたくさん味わいたいです」
そして、その空気をチーム内に作り上げるためにも、若い選手には本当の意味での『競争』や自身の『成長』と向き合いながらチームを活性化させてほしいと言葉を続ける。
「もちろん、今シーズンもいい選手、勢いを感じる若い選手もいますけど、正直、まだまだ物足りない。自分がどんな練習をすれば伸びるのかを理解せずに漠然と練習をこなしている選手も多いですしね。厳しい言い方ですけど、ただ練習をこなしているだけというか…居残り練習1つとっても、ただリフティングをしているだけで自分の課題から逆算して、どこをどう伸ばして成長していくのかを描けていないんだろうなって感じる選手もまだまだいます。じゃあ、その自分の足りない部分をどう見つけるのかですけど、それを『公式戦に出場しなきゃわからない』では、間に合わないというか。
そもそも、その試合に出るためには、練習でしっかりアピールできないと何も始まらないですしね。しかも、僕はそのアピールってそんな難しいこととは思っていないというか。『サッカー』だからこそ、わかりやすく得点に繋がるプレーをし続ければ自ずと監督の目にも留まると思う。実際、イニエスタ(アンドレス)が在籍していたときも、居残り練習で一番、何に取り組んでいたかといえば、シュート練習でしたから。
あれだけ世界的な選手がゴールを取るための練習に時間を割くということは結局、それが一番、大事な要素だということなので。若い選手にはその目的意識というか何のために練習して、何を磨こうとしているのかをしっかり描いてサッカーに向き合ってほしいし、そういう姿があって初めて、彼らの力がチームに勢いを生んでくれるんじゃないかと思っています」
そうした空気をチームに求めるのは、クラブにとっての悲願でもあるAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)での『タイトル』を意識するからだ。
「ACLEはそれこそヒリヒリした痺れる試合ばかりで、すごく楽しみです。昨年は本当に悔しい思いをしたし、まずはしっかり勝ち進んで、(ベスト8からの戦いが行われる)サウジアラビアにみんなで行きたい。そのときにはチームが確固たる自信を持って戦えるように、どういう意図でボールを取りにいくのか、どこをどう狙ってゴールを陥れるのか、チームとして完成した状態で臨めるようにシーズンを進んでいこうと思っています」
そのためにも、ラウンド16で敗退したACLE2024/25と同じ轍を踏んではいけないと強調する。ホームでの第1戦を2-0で勝利して折り返したにもかかわらず、アウェーの第2戦に逆転負けを喫した光州戦の苦い記憶は今も鮮明に胸に刻まれている。
「今になって思えば、ホームゲームのときも2-0で満足してしまっていたというか。もっと相手を叩きのめすくらいの覚悟が必要だったと思っています。その上で臨んだアウェー戦も結局、先に失点を許して引いちゃって、引いちゃって、という展開になり、延長戦の最後、118分に失点をして0-3で敗れ、次に進めなかった。もちろん、ホーム&アウェーのどっちを先に戦うかもありますけど、その教訓からとにかくホームではとことんやり切って叩きのめす、アウェーではしっかり我慢して耐え切ることはマストだと思っていますし、それを僕たち経験者がしっかりチームに伝えていかなくちゃいけないと思っています」
ACL制覇は彼自身にとっても、このハーフシーズンにおける1番の目標であるという。これまで歩んできたキャリアでは様々な栄冠を手にしてきた大迫だが、未だアジアのタイトルを手にしていない。
だからこそーー。
その実現のために点を取って、取って、取りまくる。
取材・文◎高村美砂
