上写真=決勝点を決めた福田涌矢(左)と同点ゴールを挙げた染野唯月(写真◎J.LEAGUE)
監督に呼ばれて『行けるか?』『やったります!』
スタジアムに集った1万3643人の観衆も、中継を見守っていた人も、PK決着を予感していたかもしれない。改めて説明するもなく、90分で決着がつかない場合、百年構想リーグはPK戦に突入するレギュレーションだ。
時計が90分を過ぎて、アディショナルタイムに入っていた。だが、後半途中からピッチに立っていた男が勝負を決める。
「すごい気持ちよかったですね。去年はサポーターと一緒に苦しんだシーズンだったので。今年は開幕2連勝できて、去年の悔しさを乗り越えたなっていう意味も込めて、サポーターと喜べたのがうれしかったです」
勝ち点3を奪う一撃を決めた福田涌矢は率直な思いを口にした。
90+2分、相手のミスを逃さず、敵陣でボールを拾った染野唯月がダイレクトでパスを送ると、福田は迷わずシュートを放った。ゴールまでの距離はおよそ20メートル。得点の確率だけを考えれば、他にも選択肢があったかもしれない。しかし、右足を振り抜いた。
「昔は(ミドルシュートを)持っていたと思ってたんですけどね。久々に出せました。(今季は)ボールが変わって、高校の時のボールってああいう感じでめっちゃ変化する感じだったので、ああいう(シュートが)いっぱい出ていたんですけど、去年とかはあまり回転がかからにボールだったので。逆にキーパーはちょっと可哀そうやなって思いますけど、あのボールは、攻撃陣からしたら本当にあざーすって感じです」
強烈なシュートはバーを叩き、そのままゴールイン。チームに勝ち点3をもたらした。
当初、キャンプ前に負った肉離れと足首の負傷により、トレーニングを十分に積めなかった福田は、この試合に出場する予定ではなかったという。しかし、2日前に城福浩監督に呼ばれ、話をして出場が決まった。そのやり取りを福田自身が明かした。
「元々、(メンバーに)入る予定はなくて、今回、足首のあれもあったので。でも前日、一昨日か、呼び出されて『行けるか?』みたいな。『使いたいけど、ならプレーで示せ』みたいに、めっちゃ圧をかけられて(笑)。『やったります』みたいな感じで。すごく、その圧もよかったです」
指揮官の熱い思いに応え、福田はしっかり『やってみせた』。
