明治安田J1百年構想リーグが開幕し、2月8日には柏レイソルが川崎フロンターレから3点を奪ったものの、3-5で敗れた。柏の3点目を決めたのは、今季その川崎Fから移籍してきた山内日向汰。右足を振り抜いた特別なゴールだった。

上写真=山内日向汰が昨季までの仲間、脇坂泰斗とピッチの上で再会(写真◎J.LEAGUE)

■2026年2月8日 J1百年構想リーグ第1節(観衆:22,226人@U等々力)
川崎F 5-3 柏
得点:(川)エリソン3、松長根悠仁、脇坂泰斗
   (柏)細谷真大、瀬川祐輔、山内日向汰

「気持ちはすごく入っていました」

 それは「決別のゴール」だったのかもしれない。

 2-4と2点差を追う81分、ゴール前で山内日向汰の目の前にボールがこぼれてきた。久保藤次郎の右からの折り返しを山之内佑成がヘディングシュート、GKスベンド・ブローダーセンに弾かれたが、続くクリアが小さくなった。

 右足に力を込めた。パワフルなシュートが愛する古巣のゴールに突き刺さった。

「冷静に抑えることだけは意識して、あとはニアかファーかに蹴り分けようと思って、うまく決められたと思います」

 ニアを撃ち抜いた追撃の3点目で、ついに1点差。そして、右手のガッポーズが飛び出して、吠えた。

「あんまり喜ぶつもりはなかったんですけど、思わず出ちゃいました」

 川崎フロンターレのアカデミーで育ち、桐蔭横浜大を経由してここでプロになった。「大好きなクラブ」と公言するほどだが、今季、柏へ決意の移籍を選んだ。開幕戦の相手がその古巣という巡り合わせ。しかも、スタジアムは慣れ親しんだ等々力だ。

「気持ちはすごく入っていました」という特別なゲーム。そこでゴールを決めたことは「自分自身のすごく大きな1点になると思います」と運命的な意味を噛み締める。

 でも、それをかき消すほどの悔しさもある。

「まだもう1点決めるチャンスがあったので、そこを決め切りたかった」

 最後にもう1点を許して3-5で敗れたから、自分が決めて4-4の同点にしていれば…の悔恨から逃れられない。

 それだけこの移籍にかけている。

「去年も開幕戦ではゴールを決めて、そこからあまり活躍できなかったので、去年をしっかりと糧にしてやっていきたい」

 昨季は川崎Fでリーグ戦では3試合しか出場できず、途中でベガルタ仙台への期限付き移籍も経験した。そして、柏へと旅立つ決断を下した。

 等々力で決めた、川崎Fのサポーターへ感謝と惜別の想いを込めたこのゴールが、山内の次の道を照らすだろう。


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