明治安田J1百年構想リーグの開幕に向けて現在、沖縄・糸満市でキャンプ中のFC東京を取材。セルティック(スコットランド)から期限付き移籍で加入した新戦力、DF稲村隼翔を練習後に直撃した。若きセンターバックの強い決意をお届けする(取材は1月16日)。

「俺、本当にサッカー選手なのかな」

画像: 15日の名古屋戦のプレーについては「まだまだこれから」(写真◎佐藤景)

15日の名古屋戦のプレーについては「まだまだこれから」(写真◎佐藤景)

ーー改めてですが、セルティックで、試合から遠ざかり、難しい時間を過ごしていました。その半年あまりの期間は自分の中でどういう整理をしていますか。

稲村 正直、まだ自分の中できっちり整理するレベルまで時間は経っていないですね。、ずっと情けない思いだったり、自分ではどうしても変えられない感じが、ずっとありました。最近、海外に行く選手も増えてきた中で半年で(日本に)帰って来るのは情けないという思いが強かったのはあります。ただ、日本に帰ってきたらそれで終わりかと言えば、そうではないと思いますし、ここからまた自分自身が高く飛ぶために、このチームのためで頑張りたいと思ったので。今はやるしかないですし、FC東京でしっかり取り組みたいというのが今の思いです。

ーーセルティックで稲村選手の実力を評価してくれていたスカウトスタッフがいなくなったり、監督交代など、そういうことも重なりました。

稲村 難しい時間でしたし、プレーできず、ベンチ外で練習を3人でやることも多かったので、「俺、本当にサッカー選手なのかな」と思うこともありました。そういう状況の中で、「いま、試合に出て自分はしっかりプレーできるのか」と不安に思ってしまったり。あの期間には色々な感情が沸いてきました。ただ、自分と向き合う時間が長くあったことで、自分の弱さを知れたし、本当に一番下を知った感覚なので、ここから上がるだけだと今は思っています。
 それから、送り出してもらった新潟の皆さんに申し訳ないという思いがあるので、チームは変わってしまったんですけど、自分がプレーや結果で恩返しと言うと違うかもしれませんが、期待していただいた思いに応えられたらと思っています。そのことは一番、考えるところです。

ーー昨年のE−1選手権の前には、日本代表に稲村を、という空気が漂っていたと感じます。実際、代表のスタッフも新潟に視察に訪れていましたが、移籍が重なり、代表入りは実現しませんでした。代表は意識していますか。

稲村 もちろん。そこを意識して海外に出たいと思っていたので。でも今はしっかり試合数に出て、まずは経験してというところが大事だと思っています。以前も自分のプレーを見てもらっていたというのは変わらないことですし、ここからまた結果を残せば、目指せる場所だと思うので、やるしかないです。

ーーこれはFC東京の川岸滋也社長も話していたことですが、左足を使えて、持ち出しも苦も無くできるセンターバックは日本では希少です。そういう意味で稲村選手は多くの武器を持っていると言えますが、自分の特徴をどのようにとらえていますか。

稲村 数が少ないというのはシンプルに自分の強みだと思いますし、もっとその特性を出していかないといけないと思います。ただ、海外ではそれがスタンダードになっているというか、どの選手も標準装備していると思うので、違うところでも成長しないといけないと思います。(日本代表の)鈴木淳之介選手のプレーを見ても思いますし、ベースは守備者なので、相手にやらせないというところは、ビルドアップに関するプレー以上にもっともっとやらないといけないと思っています。

取材◎佐藤景


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