鹿島アントラーズは30日、J1第37節で東京ヴェルディと対戦。アウェーで苦しみながらも、松村優太のゴールで勝利。ホームで迎える最終節の横浜F・マリノス戦に勝てば、2016年以来のJ1優勝が決まる状況を整えた。

上写真=74分、こぼれ球に詰めて決勝ゴールをスコアした松村優太(写真◎小山真司)

鬼木監督の金言「足が速いんだから走って詰めれば点が増える」

 均衡を破る値千金のゴールだった。54分、エウベルに代わってピッチに入った松村優太は持ち前の推進力を発揮して攻撃を活性化させるだけではなく、試合を決定付けるプレーを披露した。

 相手GKマテウスのロングパスを鹿島陣内の左サイドで受けた内田陽介がバックパス。それを松村と同じく後半途中から出場していた荒木遼太郎が敵陣でカット。そのままドリブルで運んでレオ・セオラに展開し、シュートにつながげると、マテウスが弾いたボールがこぼれた。

 その落下地点に走り込んでいたのが松村だった。冷静にプッシュすると、ボールはゴール左隅へ。苦しんだ鹿島に待望のゴールが生まれた瞬間だった。

「今年、鬼木(達)監督がずっと言っている『スタートだろうがサブだろうが』っていう話を、本当に全員が共通認識を持ってやれているので。前半、悪かろうが、後半に変えれる選手もたくさんいますし、それで勝ってきた自負があるし、今日に関しては時間がありましたし、1点を取れるチャンスはあるんじゃないかなと思っていた」

 その言葉通りに、松村は後半からピッチに立ち、状況を変えた。

「相手のミスからでしたけど、荒木がしっかり良さを出して、パスを出して、レオもいい抜け出しをして、これも鬼木監督によく言われたんですけど、『お前は足が速いんだから、思いっきり走って詰めれば点が増えるよ』と。だから思いっきり、何かかあるんじゃないかなと思って走ってたんですけど、いい具合にこぼれてきて、触りたいと思って触れたんで、よかったかなと思います」

 鬼木監督の期待に、ゴールで見事に応えた。松村が決めた決勝点によって、鹿島は2位柏との勝ち点1差をキープしたまま、最終節の横浜FM戦を迎える。勝てば、自力で優勝が決まる状況だ。

「ありがたいことにホームでできますし、目の前でタイトルを取る姿を見せることができる。本当に約10年、国内で取れてないので、(待っていた人たちへ)一番の恩返しになると思う。自分たち以上に欲してるのはもうサポーターの皆さんだったり関係者の皆さんだったりだと思うので、そういうホームでの迫力だったりも前面に出しながら、スタジアム全体を巻き込んで、強い鹿島を存分に見せつけて、最後に笑えればと思っています」

 2016年以来のJ1制覇へ、あと1勝。松村は鹿島の力を示し、タイトルを手にすると誓った。


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