上写真=先制ゴールを挙げた柏の小泉佳穂(写真◎J.LEAGUE)
■2025年10月18日 J1第34節(観衆30,282人/@パナスタ)
G大阪 0ー5 柏
得点:(柏)小泉佳穂、中川敦瑛、ジエゴ2、細谷真大
序盤から相手を押し込み、ゴールを重ねた柏
押し込む柏、耐えるG大阪。開始直後からはっきりとした構図がピッチに描かれた。
終始一貫、ボールを握ろうとする柏に対し、G大阪はボール奪取からカウンターを狙っていく。5−4−1のブロックを組んで相手の進入を阻もうと努めた。
だが、ブロックの外側をなぞるようにパスをつなぎながら、柏の選手たちは、どこをどのように攻略すればいいのか理解していた。タイミングを見計らってサイドに展開し、複数人が絡んで崩しにかかる。
7分、まさにその形から先制する。右サイドで数的優位を作り出し、山ノ内のパスから小泉が抜け出してボックス右から進入。最後は左足で蹴り込んだ。
先制した試合では、12勝3分けと負けていない柏は、その後も着々とゴールを重ねて、勝利を盤石のものとする。15分には小泉が中央から左前方へ中距離のパスを送り、ボックス内で受けたジエゴが胸で落として中川がワントラップボレー。左ウイングバックであるジエゴの斜めの走り込み、そしてボランチ中川が攻撃に厚みをもたらすランニング。柏は完璧な崩しで追加点をマークした。
アウェーチームの勢いはさらに加速する。19分には小屋松が左サイドのコーナー付近から中央へ運び、マイナスのクロスをジエゴが左足で蹴り込んだ。やりたいことをピッチで思う存分、表現する柏の前に、G大阪はただただ沈黙するしかなかった。
この日、G大阪は3バックで臨んでいたが、プレスがまったくはまらないため、後退して我慢の守備をするしかなかった。その中でも何とか打開しようと、選手は懸命に試みていたが、なかなかきっかけをつかめない。システム変更や選手投入でゲームを動かす策にも乏しく、劣勢を挽回できない時間が続いた。対して柏は連動したプレスでG大阪の攻撃に制限をかけ、ことごとく自由を奪ってみせる。順位の差、チームの勢いの違いと言ってしまえばそれまでだが、あまりにも対照的な両チームの対峙になった。
柏に4点目が入ったのは51分だ。中川の横パスをボックス左隅で受けたジエゴが、鋭く反転して右足シュート。豪快な一撃でゴール左隅を射抜き、リードをさらに広げた。
71分には原田のクロスをG大阪のボランチ鈴木徳がボックス内でハンド。これを細谷が冷静に決めて柏のリードは5点となった。
結局、試合はそのまま柏が5−0で勝利。この結果、首位・鹿島との差は勝ち点3に詰まり、得失点差も4ポイントと差を縮めた。J1はこれで残り4試合。柏は1試合の結果で順位を入れ替えられる状況を整えた。
一方のG大阪は攻撃も守備もちぐはぐプレーが続いた印象だ。枠内シュートは柏の9本に対してG大阪はわずか1本。この試合においては負けるべくして負けたと言わざるを得ない。
シーズンもいよいよ大詰め。優勝争いを続ける柏は次戦、ホームで横浜FCと対戦。そして中位に甘んじるG大阪はアウェーで名古屋と相まみえるーー。
▼出場メンバー
・G大阪◎GK一森純、DF半田陸、中谷進之介、福岡将太、岸本武流(66分:奥抜侃志)、黒川圭介(66分:初瀬亮)、MF安部柊斗、鈴木徳真(80分:美藤倫)、満田誠、宇佐美貴史(56分:イッサム・ジェバリ)、FWデニス・ヒュメット(56分:山下諒也)
・柏◎GK小島亨介、DF原田亘、古賀太陽、三丸拡(64分:杉岡大暉)、山之内佑成、ジエゴ(56分:仲間隼斗)、戸嶋祥郎(56分:原川力)、中川敦瑛、小泉佳穂(77分:瀬川祐輔)、小屋松知哉、FW垣田裕暉(46分:細谷真大)
