上写真=鈴木義宜はセンターバックとしてもクリーンシートに貢献した(写真◎J.LEAGUE)
■2025年8月24日 J1第27節(観衆:27,591人@味スタ)
FC東京 0-4 京都
得点:(京)ラファエル・エリアス3、鈴木義宜
「中途半端なところがあった」
「あの瞬間、真ん中がぽっかり空いていたので、自分がいい形で入って、いいボールが来たので、押し込むことができました」
まさに時空のエアポケットに足が止まった相手を尻目に、一人だけ動きを止めずに飛び込んだ。45分、鈴木義宜の京都サンガF.C.の選手としての初めてのゴールだ。
右サイドのロングスローからの攻撃で、左にボールが流れてもセンターバックのポジションに戻らずにそのまま前線に残っていた。ボールに視線を移した相手のマークが外れた瞬間に、平戸太貴から完璧なクロスが飛んできて、ダイビングヘッド。体を投げ出していたから力に任せて叩いてしまいそうなところを、ボールに当てる頭の角度や強さをしっかり調整しながら優しくゴール右に流し込み、繊細なヘディングの技術を見せつけた。
これで前半のうちに3-0として、一気に勝利に近づけたのだった。
ただ、本職のセンターバックとしては完璧を求めて細かな反省に向き合うことを忘れない。8分と13分の連続PKをラファエル・エリアスが決めて2点を先行しながら、FC東京の勢いを受ける形になったことがその一つ。
「2点を取ってから相手に押し込まれる時間帯が長くて、苦しい時間が続きました」
リードする状況における試合運びの難しさに直面したが、理由は分析できている。
「僕たちの中盤の間のところにパスが通されたり、相手のセンターバックから配球されていて、どのタイミングで(奪いに)いくのか、中途半端なところがあった」
だからこそ、「前半に3点目を取れたのはよかった」と、京都2年目で決まった自らの初ゴールを、チームのために喜んだ。
「うれしいですけど、もっともっと得点を取っていけば、チームの勝利は近づくので、もっと取っていきたいですね」
ゴールを許さずにゴールを奪う。残り11試合で京都が頂点へと駆け抜けるには、全試合で出場を続ける背番号50のそんなマルチな働きが欠かせない。
