7月5日に明治安田J1リーグ第23節が行われ、川崎フロンターレは鹿島アントラーズを迎えて戦った。移籍が決まった高井幸大のラストマッチとなった川崎Fにとっては、首位の鹿島との差を縮めたいゲーム。鹿島も3試合勝ちがなく、ともに正念場となった。どちらもゴールに向かう迫力をぶつけ合う展開は、川崎Fが逆転勝利をもぎ取ってみせた。

上写真=脇坂泰斗(左)と知念慶のバトル。ともに攻撃の意欲をむき出しに、迫力あるゲームを演じた(写真◎J.LEAGUE)

■2025年7月5日 J1第23節(観衆:23,675人@U等々力)
川崎F 2-1 鹿島
得点:(川)伊藤達哉、マルシーニョ
   (鹿)レオ・セアラ

画像: ■2025年7月5日 J1第23節(観衆:23,675人@U等々力) 川崎F 2-1 鹿島 得点:(川)伊藤達哉、マルシーニョ (鹿)レオ・セアラ

鹿島は首位陥落

 あの手この手でゴールに襲いかかる川崎フロンターレ。回数は少ないものの、鋭くフィニッシュに結びつける鹿島アントラーズ。大一番で攻める気満々の両チームの攻防は、楽しく見応えがあった。

 右から左から中央からと面白いように守備網を崩す川崎Fが、それでもゴールを割れない一方で、鹿島は一発で仕留めてみせた。自陣からキム・テヒョンが逆サイドへロングパス。川崎Fの守備陣が対応に遅れたスキに松村優太が俊足を飛ばして抜け出すと、GK山口瑠伊が飛び出す直前で横パス、レオ・セアラが難なく押し込んで、25分に先制した。

 なおも攻める川崎Fは決定機に仕留めることができずに悩ましかったが、それでも前半アディショナルタイムに同点に追いついた。右からの山本悠樹のCKがニアで触られ、逆に飛んだところで伊藤達哉が蹴り込んで、45+4分にスコアをタイに戻したところでハーフタイムに入った。

 52分、川崎Fは後半から入ったばかりのジェジエウが裏抜けした松村を手で引っ張って倒し、レッドカードが提示された。しかし、VARチェックの結果、松村が抜け出したポジションがオフサイドで、ジェジエウの退場処分も取り消された。

 このピンチを乗り越えた勢いを一気に加速させたのが、同じく後半から入ったマルシーニョだ。58分、高い位置でプレスを掛けてマイボールにすると、河原創が拾い、山本が裏にループパス、右に出た家長昭博がダイレクトで中に送り、マルシーニョががら空きのゴールに送り込んで逆転してみせた。

 なおも攻める川崎F、交代選手を駆使してパワーを前に向け、特に田川亨介の裏抜けを生かした鹿島と、いずれも1点への執念を見せて白熱したが、さすがに時間の経過とともに疲労が隠せない。最後の最後に鹿島は右からのクロスに鈴木優磨がヘッドで合わせたが、惜しくもゴールを割れなかった。

 川崎Fは前節で東京ヴェルディに勝ちきれなかった反省で粘り強さが高まって、最後まで集中を切らさず攻め続けたことが逃げ切りにつながった。「良さを出そうとアグレッシブに戦ってくれて、それが得点に結びつきました。1試合を通して自分たちらしいプレーが多く出せました」と長谷部茂利監督は満足げだった。

 鹿島は今季2度目の3連敗となり、首位から4位にまで後退した。「2点目を取り切れないところは、自分も含めてもっともっと強気にいかないと」とは鬼木達監督の反省の弁。試合後にはサポーターからのブーイングも飛び出した。


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