明治安田J1リーグ第12節は4月25日に7試合が行われ、FC東京は国立競技場にガンバ大阪を迎えた。なかなかゴールが生まれない展開だったが、俵積田晃太が驚きの独走から決めて先制すると、高宇洋も今季初ゴール。終了間際にオウンゴールで突き放し、終盤に一気に決着をつけた。

上写真=殊勲の2人、俵積田晃太(右)と高宇洋が喜び合う。劇的な勝利だった(写真◎J.LEAGUE)

■2025年4月25日 J1第12節(観衆:44,519人@国立競技場)
FC東京 3-0 G大阪
得点:(F)俵積田晃太、高宇洋、オウンゴール

画像: ■2025年4月25日 J1第12節(観衆:44,519人@国立競技場) FC東京 3-0 G大阪 得点:(F)俵積田晃太、高宇洋、オウンゴール

「僕がエネルギーをなくしたらダメ」

 衝撃のゴールで、ようやくこじ開けた。

 86分、自陣左でボールを受けた俵積田晃太が得意のドリブルを開始、一気に突き進んで最後は2人の間を強引に割って入ってシュート、ゴール右に飛び込むスーパーゴールでついにFC東京が先制に成功した。

 どちらとも落ち着きのないゲームだった。中距離のパスとイーブンボールの連続で、行ったり来たりの展開。

 G大阪は右サイドから山下諒也のスピードを生かすが、逆に左からの攻撃は皆無。FC東京はショートカウンターからマルセロ・ヒアンと遠藤渓太が、背後を取った小泉慶が、CKから佐藤恵允が狙うものの、いずれも決まらなかった。

 22分にはG大阪がゴールネットを揺らしたのだが、飯田淳平主審によるオンフィールドレビューの結果、オフサイドポジションにいた半田陸が安斎颯馬のプレーに影響を与えたとして認められなかった。非常に難しいジャッジで、飯田主審は両チームのキャプテンに、次いでG大阪のダニエル・ポヤトス監督に時間をかけて説明した。

 後半開始早々の51分にG大阪はFKをイッサム・ジェバリが至近距離から合わせるが、ボールが足にうまく当たらずに枠の外へ。58分のファン・アラーノのミドルシュートも枠の上に消えていった。

 FC東京にとっては、GK一森純の存在が疎ましかっただろう。59分にカウンターを仕掛け、北原槙が左からカットインして右足で無回転シュートを見舞ったが、一森に弾かれて史上最年少ゴールはならなかった。74分にも一森のクリアを拾った佐藤がそのまま一気にゴール前にドリブルして狙ったが、またも一森のセーブに防がれた。

 だが、俵積田の素晴らしい今季初ゴールでこじ開けたあとは、FC東京が一気に勝負を決めにかかる。90分には高宇洋が橋本拳人の横パスをワンタッチでカーブをかけたコントロールショットを右上に送り込んでリードを広げると、最後は90+4分に高のパスから俵積田が進入し、最後はオウンゴールで立て続けにゴールを重ね、勝ち点3を鮮やかに奪いきった。

 G大阪のダニエル・ポヤトス監督は「悪い試合ではなかった。失点から集中力が欠けてしまった」と一瞬で敗れる形になったゲームを悔やんだ。オフサイドでゴールが取り消されたシーンは「ここで話すと罰金になる」とうそぶきつつもコメントを控えた。

 9試合ぶりの白星で、開幕戦以来の完封勝利を手にした松橋力蔵監督は、まずは「久々に勝ちを届けることができてうれしい気持ちでいっぱいです」と安堵の表情。勝てずに苦しい期間にも「僕がエネルギーをなくしたらダメ」と自らを奮い立たせたという。「ボールを動かしながらのビジョンも持ち合わせる中で、大前提は背後を突いてセカンドボールを取っていこう」という戦略で攻撃的なG大阪の裏を取る戦略を練ったことを明かし、交代で投入した俵積田がまさに一人で攻守をひっくり返して勝利をもぎ取った。


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