上写真=前半から球際の強さを示した神戸が1−0で東京Vを下した(写真◎J.LEAGUE)
■2025年4月12日 J1第10節(観衆17,474人/@味スタ)
東京V 0−1 神戸
得点:(神)汰木康也
GK前川の好守で守備を引き締める
神戸は開始直後からロングボールを織り交ぜつつ、敵陣でセカンドボールを回収。連続攻撃を仕掛けて東京Vのゴールに迫っていった。
開始早々の2分に迎えた決定機はフリーで狙った汰木がシュートミス。チャンスを逸し、ペースは握っていたものの、前半はゴールに至らなかった。32分には逆に東京Vにチャンスをつくられた。ボックス右で木村に粘られ、クロスから福田にシュートを許す。ここはキャプテン山川がブロックして事なきを得たが、危ない場面だった。
42分には東京Vの左CKの場面でGK前川がファンブル。こぼれ球を綱島に蹴り込まれたが、これはVARチェックの結果、キャッチの際に攻撃側のファールがあったとの判定で取り消された。ただ、前半の終盤は東京Vに連続で決定機を生み出され、最初の45分は決して良い流れとは言えなかった。
それでも後半に入り、神戸は待望のゴールをつかむ。51分、宮代が中央を持ち上がり、相手を十分に引きつけてから左側を並走するエリキにパス。最後は折り返しに走り込んだ汰木が蹴り込み、先制に成功した。
65分には交代で入った東京Vの山見に抜け出されてGKと1対1の場面を作られたが、前川が見事なストップで得点を阻止。前半も綱島のミドルシュートを鋭い反応で弾き出すなど好守を見せていた守護神は、高い集中力でゴールに鍵をかけ続けた。
86分には佐々木の抜け出しを腕でブロックした綱島が2枚のイエローカードをもらって退場。終盤に来て1人多い状態となった神戸はそのまま試合をクローズさせて、1−0で勝利。吉田孝行監督は「選手たちがよく戦ってくれた」と焦れずにブレずにプレーし続けた選手を称えた。
連覇中の王者として盤石の内容だったかと言えば、決定力の部分などまだまだ改善の余地はあるだろう。しかし、前節新潟に敗れたショックを払拭し、信条とする戦う姿勢をベースにハードでダイレクトなプレーで今季3勝目を挙げた意味は大きい。これで3勝3分け3敗と五分の成績に戻すことにもなった(消化が1試合少ない)。リーグ3連覇に向けて、ここから巻き返しを狙うことになる。
対する東京Vは攻め込まれる時間が長くなった中でも粘り強い守備でしのぎ、しっかり反撃の機会を作った一方で、最後までゴールは遠かった。強度勝負で互角の戦いを演じたとしても、そこからプラスアルファを生み出さなくては、勝ち点3を得ることは難しい。攻め手をさらに増やしたいところ。清水戦でも見られたこの課題をいかに克服できるかが、今後の成績にも影響してきそうだ。
▼出場メンバー
・東京V◎GKマテウス、DF綱島悠斗、谷口栄斗、林尚輝、MF宮原和也(77分:翁長聖)、平川怜、齋藤功佑、新井悠太(87分:松橋優安)、FW染野唯月(77分:川﨑修平)、福田湧矢(65分:山見大登)、木村勇大
・神戸◎GK前川黛也、DF酒井高徳、山川哲史、マテウス・トゥーレル、本多勇喜、MF井手口陽介、鍬先祐弥(77分:扇原貴宏)、宮代大聖、FWエリキ(87分:飯野七聖)、大迫勇也(77分:佐々木大樹)、汰木康也(68分:広瀬陸斗)