上写真=90+4分、木下康介が右からの折り返しを押し込んで同点!(写真◎J.LEAGUE)
■2025年4月11日 J1第10節(観衆43,813人@国立競技場)
FC東京 1-1 柏
得点:(F)仲川輝人
(柏)木下康介
「ラッキーでしたけど」
「点を取ったから100点じゃないですか」
柏レイソルのこの日唯一のゴールは、90+4分に生まれた。木下康介が右からのクロスに相手より先に反応し、足を伸ばして叩き込む値千金の同点ゴール。自己採点は満点だ。
熊坂光希が低く折り返したボールは、相手に少しだけ当たってややコースが変わった。だが、それが功を奏した。
「相手に当たってこっちに寄ってきたんですよね。ラッキーでしたけど、狙い続けてはいて、あそこで折り返してきたことが大事だし、それが結果としてゴールにつながったので、そこは今後も要求していきたい」
狙い続ける、がキーワードだろう。58分に投入されるまでピッチの外から見守っていた木下は、ボールは握るがフィニッシュは少ないこのチームの悪癖がまたも顔をのぞかせていたのを感じていた。だから、何度も繰り返し、相手に迫っていくことがその役目だった。
「保持することと、一つスイッチを入れて仕掛けることのバランスが大事で、前半は保持して様子を見ることに傾きすぎていて、結果、シュートが少なくなったかな」
ていねいにビルドアップしていくチームの「あるある」だが、1点のビハインドで投入された58分からは、ピッチの上でそれをどう変えるかを考えていた。
「失点はしたけど支配はできていました。ただその中でシュートが少なくて、割とうちにあることなんですけど、気になってはいて。ピッチに入ってからもなかなかゴールへ向かうような動きが少なくて、それをなんとか変えようと」
そして行動に示したのが「声を出して要求する」ことだった。
「ピッチに入った当初はあんまりクロスも入ってこなくて、ノーチャンスな展開でしたけど、周りに要求し続けて上げてこいって言い続けて。それが2、3回続いて形になったかな」
ゴールに向かい、シュートを打ち続けること。その最も本能的な態度を、最後の最後で示してみせた。そのことを「続ける」のみだ。