アルビレックス新潟の初勝利は、長谷川元希がもたらした。4月6日の明治安田J1リーグ第9節でヴィッセル神戸に1-0で競り勝った、その決勝ゴールは背番号41の右足から生まれた。今季4点目と好調を維持する男が、ここからチームを浮上させる。

上写真=長谷川元希が早くも今季4点目。樹森大介監督の信頼を受けて全試合に先発している(写真◎J.LEAGUE)

■2025年4月6日 J1第9節(観衆36,407人/@国立)
神戸 0-1 新潟
得点:(新)長谷川元希

「あのコースに打つのは得意」

 こぼれたボールを足元に収めてから持ち運び、左足で右に切り返して、右足で巻くようにフィニッシュ。ゴール右に飛んでいったボールが気持ちよさそうにネットを揺らすと、長谷川元希の笑顔が弾けた。

 今季4点目は、待ちに待った今季初勝利を、そして国立競技場での初勝利をアルビレックス新潟にもたらした。

「数的不利だったので、うまくかわしながらとイメージしていました。相手のディフェンダーが1人、食いついてくれたのでかわして、あとは練習通りかな。自分が思い描いたことが全部うまくいきすぎて、あとはあそこにボールを置いたらあのコースに打つのは得意なんで」

 相手陣内の左寄りのエリアで小野裕二がパスコースを制限し、出てきたボールに星雄次が鋭い出足で突っかけて井手口陽介がこぼし、そのボールを拾った長谷川が決めきった。樹森大介監督が就任して具現化しようとしてきたショートカウンターが、ついにきれいにはまったという意味においても大きなゴールだ。

「うまくブロックを組みながら狙っていくことも樹森さんが目指しているところだと思うので、それがうまくつながっていましたし、あの場面もみんな強度が高かった。いままでやってきたものが得点につながりました」

 樹森監督の信頼を受け、藤田和輝、藤原奏哉とともにすべての試合で先発している。「今日は自分のゴールで勝たせられたのでうれしい」と9試合目にしてようやくの白星を自らのゴールでつかみ取ったことを喜んだ。だがやはり、ここまでは本当に苦しかった。

「勝ちきれる試合も引き分けたり負けてしまったのが続いていて、今日は失点ゼロで抑えられたことが次につながります。1-0というのは気持ちいいいのでかなり良かった試合だと思います」

 勝てない時期にはSNSでチームとサポーターを鼓舞する発信もして、移籍2年目にしてリーダーとしての振る舞いも頼もしくなってきた。

「8試合も勝ってなくて、いろいろ言われたし、ブーイングを受けて正直イライラしてました。オレは言い返してましたけど、でも気持ちはすごく分かっていました。今日はヴィッセルさんのホームですけど、これだけ多くのサポーターが来てくれて、国立で勝っていないと聞いていたので、サポーターの皆さんには喜んでもらえたんじゃないかな」

 ようやく手にした勝ち点3。しかし、まだ最下位に甘んじているのも現実だ。「まずは下からどんどん上がっていくしかないので、今日の勝利が無駄にならないようにやっていきたい」と、次のゴールでまたチームを勝たせてみせる。


This article is a sponsored article by
''.

No Notification