上写真=12分に先制したトルガイ・アルスラン。テクニックの光るヘディングシュートだった(写真◎J.LEAGUE)
■2025年2月8日 FUJIFILM SUPER CUP 2025(観衆53,343人/@国立競技場)
神戸 0-2 広島
得点:(広)トルガイ・アルスラン、荒木隼人
神戸は主力がベンチスタート
試合は早々に動いた。広島は12分、右サイドで塩谷司が右外の中野就斗に預けると、きれいにカーブを描いたクロスを中央へ。トルガイ・アルスランがヘッドでとらえて、バーに当たったボールがゴールに転がり込んだ。
広島は新加入のジャーメイン良を最前線に配置し、同じく新加入の田中聡と期待の若手の中島洋太朗のボランチが前向きでボールをさばいて優位に進めた。得意のサイド攻撃で、左右からまんべんなく攻め立てて神戸を押し込んでいった。
神戸は2023年に試合中に大ケガを負った齊藤未月が539日ぶりの復活を遂げたが、昨季JリーグMVPの武藤嘉紀、エースの大迫勇也など昨季のレギュラークラスは軒並みベンチスタート。その影響でなかなか相手陣内にボールを運べずに、ほとんどの時間で防戦に回ることになった。
後半に最初のビッグチャンスを迎えたのは神戸。55分に山内翔のシュートをGK大迫敬介が弾いたボールを冨永虹七が狙うが決まらない。直後のカウンターでは、広島がトルガイ・アルスランのパスを受けて左に抜け出したジャーメイン良が鋭く狙ったが枠の上へ。
神戸が動いたのが64分。大迫、武藤、酒井高徳の主力3人を一気に投入して勝負に出た。5分後には広島も川辺駿と新加入の菅大輝をピッチへ送り込んだ。その効果が現れたのは広島の方だった。
70分、右CKを中央に蹴り込んだのが菅。ファーから飛び込んで高々とジャンプした荒木隼人の頭に鋭いボールをピタリと合わせて、広島がリードを2点に広げた。
広島は76分には期待のルーキー、中村草太をデビューさせるなど、理想的な試合運びを見せて、このまま2-0で逃げ切り。今季初タイトルを獲得して、上々のスタートを切った。ミヒャエル・スキッベ監督も「強い神戸を相手にこういう形でタイトルを取れてうれしい。アクティブに攻撃的にプレーできたのが良かった」と広島らしさ全開で勝利をもぎ取った。
逆に神戸は負傷者も多く、見せ場も少なかったが、AFCチャンピオンズリーグエリート、J1リーグと連戦が続く中で上向きにしたい。