上写真＝松橋力蔵監督と新モデルのユニフォームに身を包んだ新加入選手たち。FC東京が始動した（写真◎サッカーマガジン）
「するとすぐにバレる」
攻撃スタイル、マネジメント、そして経験。FC東京の小原光城ゼネラルマネージャーは松橋力蔵監督を迎え入れるに当たって、その3つを重視したという。
相手陣内でプレーする時間を増やし、1試合平均得点を2点に近づけること。選手を育てながら勝っていくための選手掌握力を生かすこと。そして歴代監督のアルベルとアルビレックス新潟で、ピーター・クラモフスキーと横浜F・マリノスでともに仕事をしてきた稀有な経験を還元すること。それが求められてる。
そんなFC東京からのオファーを聞いて、松橋監督の最初の印象は「まさか」だったのだという。しかし、調布市国領という味の素スタジアムのすぐ近くで出生した縁に呼ばれたのか、「評価していただいて素直にうれしかった」とうなずいた。
アルビレックス新潟時代は明確なポゼッションスタイルを確立した。その印象が強烈なのだろう、FC東京でも同じサッカーを展開するかと聞かれるのだが、「違います」ときっぱり。
「スタイルを変えていく期待に対するプレッシャーはすごく感じますが、スタイルというものが前面に出てくるとやっぱりダメだと思っています。どのクラブであってもそうで、スタイルを貫くためにプレーしてるわけではありません。勝つためのプレーは、やはり最初に持っていないといけないですし、その上で、自分たちが状況に応じてどういうプレーを選択するのかという選手の目線をしっかり揃えたい」
その基準はまぎれもなく「攻撃的」であることだ。
「攻守ともに攻撃的であるというのは我々だけが目指してるものではありません。ただ、本当にいいサッカー、本当に勝てるサッカーとは、と考えたときに、どう守るかも大事なことでありながら、点を取るスポーツですから常に攻撃的であるところはしっかりシンプルに目指していくのが大事だと思っています」
小原GMともども、クラブ内で具体的な目標を共有してきたというが、会見ではあえて口にしなかった。それでも明言したのは「タイトルを取る」ということ。そのために、クラブが評価したのがマネジメント力だ。チームを一つずつていねいに作り上げていく粘り強い姿勢は、新潟で証明してきた。
「僕が先行していくというよりは、やはりまずは選手たちがどう感じているかを僕が理解する必要があると思います。その上で、僕の中にあるエッセンスをどう加味していくか」
では、新しいチームを編み上げていく作業に、どう向かっていくのだろうか。その答えの中に、松橋監督の人となりがにじみ出た。
「もう自分自身で、そのまま、ありのままで行くだけだなと思っています。飾っても通用しませんし、もちろん時には演じなくてはいけない役回りが監督にはあるのかもしれませんが、そういうものは僕はあまり好きではないですし、できません。できないということは、するとすぐにバレるということ。分からないものは分からないと言いますし、選手にも助けてくれと言います。本当に頼りないところもあるかもしれませんけども、そういう意味でも僕らしさはしっかりとこう選手にぶつけていきたいと思います」
新ユニフォームも発表された。コンセプトは「The Beat of Tokyo Nights」。
■2025シーズンFC東京メンバー
監督 松橋力蔵
3 DF 森重真人
4 DF 木本恭生
5 DF 長友佑都
6 DF バングーナガンデ 佳史扶
7 MF 安斎颯馬
8 MF 高 宇洋
10 MF 東 慶悟
11 FW 小柏 剛
13 GK 波多野豪
14 FW 山下敬大
17 MF 寺山 翼 ◎
18 MF 橋本拳人 ◯
19 FW マルセロ・ヒアン ◯
22 MF 遠滕渓太
27 MF 常盤亨太 ◯
28 FW 野澤零温
30 DF 岡 哲平
31 GK 小林将天
32 DF 土肥幹太
33 MF 俵積田晃太
35 MF 塚川孝輝 ◎
36 MF 西堂久俊 ◎
37 MF 小泉 慶
39 FW 仲川輝人
41 GK 野澤大志ブランドン
44 DF エンリケ・トレヴィザン
47 DF 木村誠二 ◎
48 MF 荒井悠汰 ◎
58 GK 後藤 亘 ◯
66 DF ペク・インファン ◎
88 FW 山口太陽 ◯
98 FW エヴェルトン・ガウディーノ □
99 DF 白井康介
※◯新加入、□完全移籍に移行、◎期限付き移籍から復帰
