上写真=J1第31節、町田対札幌は白熱の攻防が繰り広げられたがドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)
■2024年9月21日 J1第31節(観衆10,596人@Gスタ)
町田 0−0 札幌
ともに負けられない気持ちをぶつけ合う
この日の試合を含めて残り8試合。両者の立場は大きく異なるが、ともに負けられない一戦だった。
ホームの町田は前節で首位に返り咲き、初優勝へ向けて是が非でも勝利がほしい状況。一方の札幌は19位と降格圏に沈むが、残留のために勝ち点を積みたいところ。
対照的な両チームの戦いは序盤、順位の差がそのままピッチに表れた。試合開始からペースを握ったのは町田だ。4分、後方からのパスを胸トラップして反転した藤本が、マークについていた馬場を入れ替わり、ボックス左に侵入。クロスは走り込んだ中島にわずか合わなかったが、最初のチャンスを作った。
その後も町田は札幌の3バックの両脇を効果的に使って攻め立てる。オ・セフン、藤本らがゴールに迫り、札幌は防戦一方となった。
今節は大崎玲央と荒野拓馬が出場停止で、ボランチに宮澤が入ったが、攻撃に転じるや次々に選手がスペースに飛び込んでいく町田の攻めに苦しめられた。とりわけ左サイドの藤本の突破は強力で、札幌の右CB馬場がたびたび劣勢に立たされた。
それでもスコアは動かず、終盤にはショートカウンターからスパチョークがライン裏に抜け出しかけるなど、札幌も攻めの機会を作り出したが、前半は0−0で終了した。
迎えた後半、町田が動く。スタートから出場停止あけの藤尾を投入。先制点を奪いにいった。
パスのレンジを変え、後方からの攻撃参加も内と外を使い分けながら町田が攻略を目指す。しかし札幌も球際でタイトに守り、セカンドボールに高い集中力で回収して攻めに転じた。
互いにゴールを目指すものの、試合は膠着し、67分に町田が2枚替えを実施。地元に代えて相馬、オ・セフンに代えてミッチェル・デュークを投入し、1点を取りにいく。
自然、町田のアタッキングサード、札幌のディフェンシブサードの攻防が増えていった。70分には左サイドで仕掛けた相馬がクロスを供給。だが、町田の攻撃陣がそろってゴールに雪崩れ込んだため、ややマイナスになったボールは逆サイドまで流れてしまった。
その後も相馬の仕掛けから町田は何度かチャンスを築いたが、対する札幌もチャンスと見るやゴールに迫っていく。札幌は87分に負傷によりGK菅野が交代するアクシデントに見舞われたが、試合終盤の町田の攻めも跳ね返し続ける。アディショナルタイムには相馬のクロスが菅の手に当たったが、VARチェックの結果、ハンドはなし。
試合は結局、一度もネットが揺れることなく終了。最後の最後までは激しい攻防が繰り広げられたが、互いにとって勝ち点1を分け合う、痛いドローに終わった。
▼出場メンバー
・町田◎GK谷晃生、DF林幸多郎、ドレシェヴィッチ、昌子源、杉岡大暉、MFナ・サンホ(82分:エリキ)、白崎凌兵、下田北斗(87分:仙頭啓矢)、藤本一輝(67分:相馬勇紀)、FW中島裕希(46分:藤尾翔太)、オ・セフン(67分:ミッチェル・デューク)
・札幌◎GK菅野孝憲(87分:児玉潤)、DF馬場晴也(77分:菅大輝)、岡村大八、中村桐耶、MF近藤友喜、宮澤裕樹(51分:深井一希)、駒井善成、青木亮太、パク・ミンギュ、FW鈴木武蔵(77分:ジョルディ・サンチェス)、スパチョーク