上写真=町田のFWオ・セフンと浦和のDF井上黎生人が激しく競り合う(写真◎J.LEAGUE)
■2024年8月31日 J1リーグ第29節(観衆48,887人/@国立競技場)
町田 2−2 浦和
得点:(町)オ・セフン、エリキ
(浦)関根貴大、チアゴ・サンタナ
浦和のダメ押しゴールは取り消しに…
前半、降りしきる雨の中、町田はロングボールとサイドチェンジを使って浦和ゴールに迫っていった。相手を押し下げてセカンドボールを回収。そこからゴールへのルートを探る攻めを展開していく。
最初の決定機も、町田がつかむ。20分、左CBの中山のサイドチェンジが攻め上がった右サイドバックの望月に通り、即座にクロスへ。藤尾のシュートは枠の右に外れたが、大きな展開からゴールに迫る狙いが見て取れた。
対する浦和も、決してフリーではシュートさせず、ゴール前ではタイトな守備を見せた。22分には町田のMF白崎から下田に送ったパスを小泉がカット。最後はリンセンがドリブルからシュートを放った。相手DFの中山に当たってラインを割ったが、惜しい場面を作り出した(中山に当たっていたが、判定はなぜかゴールキック)。
町田は30分に右CKからオ・セフンが惜しいヘディングシュートを放ったが、GK西川の好守に阻まれ、32分には左からクロスから荒木がヘッドでゴールに迫った。いずれのチャンスもゴールにつなげられなかったことで、それまでやや押し込まれていた浦和がチャンスを手にすることになる。しかも、町田のお株を奪うようなデザインされたセットプレーから待望の1点を奪った。
37分、敵陣左サイドで得たFKの場面。大久保が蹴ったボールをファーサイドにフリーで走り込んだ関根が右足アウトでとらえ、ゴールに突き刺す。これが浦和にとって1本目の枠内シュート。ゴール前に町田の守備者を引き付け、関根にフリーで打たせた浦和の作戦勝ちだった。
浦和の1点リードで折り返した後半、町田は望月に代えて鈴木を投入。すると49分、相手のミスを逃さず、同点に追いつく。町田の左サイドバック杉岡が前線に送ったボールを浦和のCBホイブラーテンが胸で井上にパスしようとするが、これが短く、荒木がカットに成功。そのままナ・サンホにつなぐと、最後は左クロスに飛び込んだオ・セフンがダイビングヘッドを決めた。
後半開始早々に追いついた町田は勢いを持ってその後も攻撃を展開する。素早い攻守の切り替えからサイドを攻略し、クロスからゴールに迫っていった。
一方の浦和は速い展開にたびたび劣勢となり、自陣でプレーする機会も多くなる。なかなかボールを前進させることができず、苦しい戦いを強いられた。
しかし優勢だった町田はチャンスを作りながらも決めきれず、試合は80分を経過。すると苦しい時間を耐えしのいだ浦和に流れが傾いた。
大畑の左クロスに反応し、ボックス内に走り込んだチアゴ・サンタナがヘッド一発。77分に途中出場していたブラジル人FWが10分後に値千金のゴールを決めた。
アディショナルタイムには町田の背後を突き、松尾が抜け出してGK谷と1対1の状況を迎え、冷静にネットを揺らしたが、斜め後ろを走っていた二田が下田を倒したプレーがファウルと判定され、ゴールは取り消しに。浦和にとっては結果的に、このプレーが大きく響くことになる。
90+8分、町田も途中出場の選手が輝く。GKからのロングフィードを64分から登場していたデュークが空中で競り勝ち、フリックされたボールに72分からプレーしていた藤本が反応。ボックス左で折り返すと、81分に途中出場したエリキが蹴り込み、土壇場で同点に追いついた。
2−2で試合は終了。浦和は勝利をつかみ損ね、町田は敗色濃厚な試合をドローに持ち込んだが、他会場で行われた試合で2位広島がFC東京を下したため、町田は同勝ち点ながら得失点差で2位に後退。14節以来の首位陥落となった。