鹿島アントラーズが3戦未勝利と足踏みしている。8月25日の明治安田J1リーグ第28節で、東京ヴェルディとのアウェーゲームに臨み、終盤の猛攻もかなわず1-2で黒星。鈴木優磨はアグレッシブさの回復を急務に挙げている。

上写真=鹿島は鈴木優磨が90分にPKで1点を返したが、足りなかった(写真◎J.LEAGUE)

■2024年8月25日 J1リーグ第28節(@味スタ/観衆24,814人)
東京V 2-1 鹿島
得点:(東)山見大登2
   (鹿)鈴木優磨

「きれいにやろうとして」

 ヴァンフォーレ甲府との天皇杯ラウンド16から中3日。もちろん、その疲れもなかったわけではないだろうが、それだけではないような重たさが、この日の鹿島アントラーズには散見された。

 何より、自慢のフィジカルバトルで勝ちきれない。鈴木優磨は「相手も勝ちたい気持ちできているので、そこで負けるとちょっと厳しい」と東京ヴェルディの気迫を称えながらも、自戒を込めて物足りなさを隠さなかった。

「こちらもチャンスを作れていないわけではない」とするのは柴崎岳だ。だが、「決められてはいけないところで決められ」てしまい、こちらのゴールは鈴木優磨が90分に決めたPKによる1点のみ。スコアを1-2にするのがやっとだった。

 これで、3戦未勝利。鈴木は「大胆さが足りない」と原因を一言で表現した。

「ちょっと大胆さに欠けてますね。最近特に、きれいにやろうとしてきてるなと。大胆なところを見せておかないと、自分たちのやりたいことは出せない。相手もだいぶスカウティングしてきてると感じるし、堅いゲームだったので、もうちょっと大胆にやっていかないと」

 確かに東京Vは、4バックの鹿島と5バックの自分たちの立ち位置のギャップを突いていき、中央を締めてリスクを削りながら、鹿島の両サイドバックを釣り出してその背中を突いていく狙いを選手たちが明かしている。

 ただそれでも、鹿島らしいアグレッシブさがあれば乗り越えられる、というのが鈴木の深い自省の意味だろう。「相手は別にこちらをあんまり嫌がっていない。距離感も悪くなってきているし、相手に危険を与えられていたかと言われたら、ちょっと疑問」とも話しているのだ。

 柴崎は総合的な判断が必要だとする。

「ホームに関してはいい戦いができているけれど、アウェーはそうではないという認識です。何が問題なのかは、いろいろな要因が重なっていて、チームとしてはいろいろなところからアプローチして解決していきたい」

 百戦錬磨の2人が悩ましげな表情を見せ、柴崎は「特効薬はない」とも釘を差している。ただ、もしその答えの一つに鈴木の言う「大胆さ」がなり得るのであれば、それを取り戻すために彼らはきっと「戦う」原点に戻るところから始めるのではないだろうか。


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